国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL
中国のネット通販サイトが開いていた「独身の日」のイベント。1日で4兆円を超える売り上げを記録した年もあった。しかし今は景気減速でこうしたイベントは行われず、ネット販売のあり方も急速に変化している。江蘇省蘇州市のネット通販会社は今年、ネットの生中継で商品を販売する「ライブコマース」部門を縮小するなど市場の変化を受けて戦略を見直した。背景にあるのは消費者の節約志向。近年中国では販売経路が多様化し、出品企業はそれぞれへの出品コストが負担となっている。そこで今注目されているのが自社サイトなどを使った独自のネット販売。中国では大手通販サイトなどを「公域」、自社商品を直接販売するサイトなどを「私域」と呼んでいる。今中国の販売モデルが公域から私域に広がり始めているという。ある家具・日用品メーカーは通販サイトから問い合わせをしてきた客を実店舗に誘導し、店舗での接客や商品説明を通じて顧客との信頼関係を構築。そして私域の自社サイトに登録してもらい、自社ブランドの固定客になってもらうという。また健康サプリメントを販売している会社では対面のイベントで成分などを顧客に丁寧に説明し、その上でSNSから私域の自社サイトに誘導。商品に関する情報を定期的に提供して購入してもらうとしている。