国際報道 Human@globe
傅益瑶さんは作品づくりにあたって、現場に足を運び理解を深めることを大切にしてきた。ライフワークとして取り組んできた祭りの絵などを納めた画集の出版記念会に出席。今回、台湾で発表する新作の舞台に選んだのは、日本三景のひとつの天橋立。「今の時代のシンボルのような絵を描きたい」等と話した。都内のアトリエで作品づくりが始まった。最初に描き始めたのは、天橋立に生える松。厳しい風雪に耐えながら凛として立つ松の姿に、困難に抗って生きる気高さを見ていた。海に隔てられた両岸を繋ぐような天橋立を描いた。この絵に何を込めるべきか傅益瑶さんは悩んでいた。傅益瑶さん自身も文化の垣根を越えて人々の心を繋ぐ架け橋となることを大切にしてきた。それを象徴する一つが、日本の俳句を描くこと。江戸時代の俳人・小林一茶。中国の漢詩より短い17音で無限の広がりを表現する世界に魅了され、長年作品のテーマにしてきた。句を深く理解し描かれた絵は、一茶の記念館に飾られるまでになった。天橋立の絵に描き始めたのは「カササギ」。中国では特別意味を持つ鳥。中国の七夕伝説では、天の川によって離れ離れになった2人のもとにカササギが現れ橋となったという。分断を乗り越え、人々を繋ぐ心の橋をカササギに込めた。最後に筆を加えたのは、天橋立の上を連なって飛ぶカササギ。迎えた台湾での展覧会。完成した作品は、縦1m・横5.3m、作品名は「天橋立幻想」と名付けた。台湾の文化人は「3つの文化の交流を象徴している」などと話した。傅益瑶さんは「私の願いが鳥になって世界をつなぎ、共に平和に向かって歩むようにしてほしい」などと話した。
