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植田総裁の代理で会見を行った内田副総裁は利上げを決めた背景について「物価が上振れするリスクを抑えるため」と説明した。内田副総裁は会見のなかで物価について「原油価格上昇を起点に企業間取引における価格転嫁がやや早いスピードで進んでおり、今後消費者団体における幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性がある。日銀が掲げている2%の物価安定の目標を超えて上振れしていくリスクがある。」と述べた。イラン情勢を受けて企業による値上げの動きが広がっているいま、物価の大幅上昇に警戒する必要があると指摘した。一方景気については、「政府によるエネルギー負担緩和策をはじめとする各種施策の効果が今後も見込まれることに加え、中東依存度の高い原材料の代替調達が進展していることから経済が大きく下振れするリスクが低下していると考えられる。」と述べた。日銀はイラン情勢を受けて景気の下振れ、物価の上振れ、2つのリスクを慎重に見極めてきたが、景気の下振れについては物価の上振れほどリスクは大きくないという認識を示した。また、今後の金融政策をめぐっては「経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ金融緩和の歩合を調整していく。」と述べた。今回1%程度の利上げを決めたが、引き続き政策金利を引き上げと言っていたので、このさきも経済・物価の動向をみながら値上げを目指していくかたちを示した。日銀がいま利上げに踏み切ったのは物価上昇・価格転嫁の動きが早くなってきているから。イラン情勢の影響で原油高や円安傾向が続いていた。こうしたなか企業間で取引される企業物価は先月は3年ぶりの高水準だった。また食品の値上げが増え、今年も1万品目を超えるという民間の調査もある。日本の政策金利は海外と比べると低水準。日銀自身も景気を刺激する方向に作用する水準だとみている。この水準が続いた場合、石油関連だけでなく物価上昇が広い範囲に波及しかねないという警戒もあり値上げに踏み切ったとみられる。利上げは経済活動の勢いを少し抑えることで物価上昇にブレーキをかける。ただ効果が現れるのに早くても1年~1年半かかるという指摘があり、利上げによって円安傾向が変わるのかどうかもポイントになる。また日銀の利上げは様々な金利上昇につながるが、プラス面マイナス面がある。今回の1%台の政策金利は31年ぶりの高水準。1990年代後半には金融機関の破綻が相次いだ平成の金融危機。2000年代に入ってもリーマン・ショックや東日本大震災、デフレが続き、日本の金利はゼロに極めて近い金利が続いた。このため日本経済は金利が上がっていく局面を長い間経験していない。金融市場もこの先の利上げに関心が集まっている。日銀は目標とする物価上昇率が2%で安定して推移する状態になったときは「中立金利」に近い水準になっていると考えている。日銀は特定は難しいとしながらも今年3月には1.1~2.5%の間にあるという推計を公表している。今回の利上げで政策金利は1%程度に引き上げられたがこの中立金利の範囲はまだ入っていないため今後も複数回利上げが行われるとみる市場関係者もいる。会見のなかで内田副総裁は「タイミングやペースについては中東情勢の展開が経済・物価に及ぼす影響を注視したうえで検討していく方針。」と述べた、などと伝えた。
