幻の骨 〜日本人のルーツを探る〜 (幻の骨 日本人のルーツを探る)
夜見ヶ浜人の骨は鳥取・境港市の地下6mから出土したが、旧石器時代の地層は地下20m以上にあたる。人類学者の海部陽介氏は下顎骨をCTスキャンにかけたところ、空洞から砂が見つかった。地質に精通する瀬戸浩二教授が観察すると、境港ではなく別の土地で詰まった可能性を指摘する。海部氏らは夜見ヶ浜人の発見場所近くで出土した縄文人の骨を見せて貰うと、「やっぱり夜見ヶ浜はちょっと変わってる」と吐露。東京大学で年代測定が行われることになり、米田穣教授は骨を削っていった。2年以内に分析結果を出したいという。海部氏らは学界から軽視されながらも、研究を続けた直良信夫に敬意を表する。直良をモデルに作品を執筆した松本清張は直良本人から送られてきた手紙を大切に保管していた。