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秋田市にある大森山動物園で長年にわたり園長を務めた小松守さん。職員時代を含めると50年にわたり、この地で動物と向き合ってきた小松さんが動物との出会いと別れ、動物園が果たす役割について話してくれた。獣医師でもある小松さんが大森山動物園で働き始めた1975年は動物園が今の場所に開園し、1年半が経過したタイミングだった。当時の猛獣舎はコンクリートや鉄の檻に囲まれ来場者との距離も遠いことが難点だった。もっと動物の生態を近くで見てほしいとのことから20年ほど前に強化ガラスを導入。コンクリートの床も土に切り替えるなど、より自然に近い形へ新設した。さらに動物と子どもたちの目線が合うよう床の高さを調整。右前足を骨折したキリンのたいようは安楽死させず義足を付けてあげた。この取り組みは絵本となり学校の授業の教材としても使われた。小松さんは「動物園というのは子どもたちがみんな好きな場所であって家族の思い出を作る大事な場所。そして生きることを考える場所のひとつでもあるんだろう」と話す。