ワールドビジネスサテライト (ニュース)
小泉農水大臣はきょう、随意契約前の競争入札で売り渡した備蓄米について、申し出があれば買い直す方針であることを明らかにした。買い戻した備蓄米を再び随意契約で安く放出することも選択肢の1つとしてあると指摘した。ローソンの竹増貞信社長は随意契約で購入した備蓄米について「ヴィンテージ米」の名前で関東限定でおにぎりとして発売していく方針を明らかにした。また小容量パックを1kg当たり389円で販売していく。
高止まりが続くコメの価格は様々な分野に影響を及ぼしている。東京・府中市の野口酒造店では、醸造用の酒造好適米よりも主食用のコメが高値で取引されてしまっていると指摘した。杜氏の木下大輔さんは「今まえ酒造好適米を作っていた農家が高く売れる食用米を作るという選択を行う可能性がある」とコメントした。
コメ価格高騰は畜産業にも影響を及ぼしている。茨城・下妻市にある「豚職人工房ぶぅーぶー」で販売するブランド豚は飼料用の米を半分以上を混ぜる独自のエサを与えてきた。しかし、主食用のコメの価格高騰により、飼料用の米の生産が激減すると見込まれ、仕入れが困難になりつつあるという。今回の備蓄米放出ではこのような飼料用に供給される備蓄米が減る可能性も指摘されている。 倉持勝社長は「かなり肉の味にも影響があるのではないか」と懸念の声を上げている