NHKスペシャル 未完のバトン 第2回 秩序なき世界 日本外交への“遺言”
2008年5月に日中首脳会談が行われ、夕食会には五百旗頭さんも招かれた。このときに東シナ海を平和・協力・友好の海とすることが合意された。当時中国は排他的経済水域の境界が定まっていない中ガス田の上に櫓を一方的に建設し、日本が抗議していた。五百旗頭さんは、21世紀委員会で東シナ海を平和の海にしようと提案したが中国側が誰一人賛成しなかった、しかし福田さんが胡錦濤に提案したら合意されて日本外交の資産になったと話している。当時総理として首脳会談を進めた福田は、一緒に良くなることを目指す国家であってほしい、そのためのお手伝いがあればしてあげたい、相手からも存在意義を認めてもらえることを目指していかなければいけないと話した。覇権主義的な傾向を強める中国と再び軋轢が深まる中、日中は戦略的互恵関係を首脳会談で確認し、両国が立ち戻る枠組みとしての役割を果たしている。