サンデーモーニング 風をよむ
明後日で東日本大震災から14年。福島県浪江町で放射線量の観測をおこなうグループがいた。原発事故で放射性物質が飛散した。小林さんら市民ボランティアのメンバーはこの14年間、定点観測を続けてきた。避難指示が解除された地域は少しずつ増えてきているが、雑木林の中など線量が高い場所もある。現在除染土は原発を囲む中間貯蔵施設に集積されている。現時点で東京ドーム11杯分の除染土が保管されているが、2045年までに県外で最終処分することが定められた一歩、その行き場は白紙状態。中間貯蔵施設区域内に自宅があった山口さんは県内で避難生活を送っている。今回一時帰宅に同行した。時間があれば訪れて写真に収めている。去年家の取り壊しを認めたが、庭木が残る土地は手放さなかった。同じ大熊町でも中心部は徐々に復興の足音が。方や復興の目処が全く立たないのが中間貯蔵施設の区域だ。山口さんはなし崩し的に最終処分場になるのではないかという懸念を抱いている。福島第一原発の廃炉作業で最大の難関とされるのが880トンに及ぶ燃料デブリの取り出し。去年11月に試験的取り出しに初成功したものの、その量はわずか0.7gだった。こうした状況でも政府は原発回帰ともとれる方向に路線変更しようとしている。