news every. いまを、戦前にさせない
80年前当時の神宮外苑競技場で行われたのは、出陣学徒壮行会。太平洋戦争で兵力不足を補うために多くの学生達が戦場に駆り出された。出陣する学徒約2万5000人、見送る女子学生ら約6万5000人が集まっていた。東条英機首相の前に学徒の代表として江橋慎四郎さんが答辞を読んだ。江橋一枝さんは慎四郎さんの妻で、走行会の翌月に結婚が決まっていた。式をあげると慎四郎さんは陸軍へ入隊し、航空整備兵として国内を転々とし終戦を迎えた。5年前に97歳で死去し、長年戦争を語ってこなかったという。大学生ら約10万人が出陣し、特攻や玉砕戦などで多くが戦死した。生き残った自分は何も言えないと沈黙を貫いた。90歳を過ぎたころから自分を教訓にしてほしいと体験を話すようになった。慎四郎さんが若い世代に伝えたかった思いは、繰り返してほしくないということ。一枝さんは、自分の大切にすることをしたほうがいいと話した。