深刻な人口減少 自治体の対応策は

2026年5月14日放送 4:39 - 4:47 NHK総合
国際報道 SPOT LIGHT INTERNATIONAL

韓国の現在の人口は約5100万人。韓国政府による将来の推計人口では約50年後の2072年に3622万人になると試算されている。合計特殊出生率は去年0.80で去年の日本の1.15と比べても低く、世界最低水準となっている。人口減少への対策が迫られている韓国。各地の自治体は地域活力をどう維持していくのか模索している。ソウル近郊のインチョン市では、若い世代を対象に手厚い支援を打ち出した。市役所に集まった若者たちのめあては1000ウォン住宅。家賃は1日1000ウェン、日本円で100円ほどで1か月の負担は3000円あまり。部屋の広さは最大85平方メートル。去年インチョン市が導入したこの制度では、市が借り上げた住宅を新婚夫婦や子育て世帯などに貸し出している。今回用意された700戸の住宅には3400件以上の申請があった。
子ども支援にも力を入れている。出産祝い金や児童手当など18歳までに合わせて約1000万円を給付することにしている。思い切った支援策に踏み切った背景には、国際空港がある他、ソウルに近くAIやITなどの先端産業の拠点となっていて、経済が好調なことがあげられる。去年市内で生まれた子どもの数は前年と比べ8.8%増加。若者向けの政策の効果が出始めている。一方、ソウル首都圏から離れた地域では多くの自治体が対応に苦慮している。釜山では多くの若者が有名大学や大企業が集まるソウルを目指す中、人口は30年間で約50万人減少。高齢者人口の割合の高さや出生率の低下から韓国の政府機関から消滅の危険のある自治体の1つと指摘されている。釜山に20年以上住むユさんは、海産物の卸売会社で働いてきたが、取引先の廃業が相次ぎ、業績が落ち込み、転職を決意。釜山では子育て支援などに取り組んでいるが環境は厳しいとのこと。市の担当者は、人口減少への対応に加え国家レベルでバランスのとれた地方の発展をはかるべきと主張。
こうした中、新たな工夫で注目されているのが人口7万4000人のナムォン市。目指しているのは市外から訪れて一定時間滞在する生活人口の増加。人口をすぐに増やすことは難しいため、まずは生活人口でインフラや地域経済を維持していこうとしている。そのためにおととし導入したのは市外在住者を対象にした市民証。これを見せると市内の公共施設が無料で利用できる。また、市内の飲食店などにも協力を依頼し、市民証利用者への割引などのサービスを提供、市はホームページなどで飲食店の情報を発信する取り組みを行っている。市民証の登録者は人口の2倍以上にのぼるといい、大きな経済効果が出ているという。


キーワード
仁川国際空港釜山市(韓国)インチョン市(韓国)インチョン市役所ナムォン(韓国)

© 2009-2026 WireAction, Inc. All Rights Reserved.