午後LIVE ニュースーン (特集)
韓国の人がどれだけ漢字を知っているのか。実際にソウル駅で「大韓民国」と書いてもらった。すると「大」しか書けない人や、細かい部分を思い出せない人も。30人に書いてもらったところ正しく書けたのは大学で歴史を専攻している学生など3人だけだった。漢字を知らず、会社で恥ずかしい思いをしたという環境コンサルティング会社に勤務するパク・ピョンウさん(36)。上司に宛てた書類に物事を承認する意味「決裁」と記入すべきところを誤って購入のためお金を支払う「決済」と書いてしまった。韓国語では「決裁」と「決済」の発音は“キョルチェ”と言うがハングルでの表記は異なる。本来の漢字の意味を知っていればそれぞれの状況に応じて使い分けることができるが、パクさんはうっかり「決裁」と「決済」を間違えて使ってしまった。パクさんは「“そんな基本的なことも知らないのか”と叱られた。言葉の意味を知らなければならない場面があるたびに理解力の低さを痛感して勉強することにした」と語った。“漢字を知らないことで起きるトラブルをなくしたい”そう考える人が増えている。平日の夜、ビルの一室には漢字の形や成り立ち、意味を真剣に学ぶ大人たちの姿が。もともと子ども向けの漢字塾だったが、大人からの要望が増え、去年から成人クラスも設けている。漢字塾で学ぶ40代の女性は「働いている人の多くは漢字由来の言葉を使うが、理解できない時もあるし、逆に若者が私の言葉を全く分からないこともある」と語った。15世紀半ばの朝鮮王朝時代に生み出された「ハングル」。1970年には漢字を避け「ハングル」の使用を徹底する政策が推進された。以前は新聞にも多くの漢字が使われていたが今ではほぼ全てハングルに。学校の正規授業で漢字を学んだ世代は60歳を超え、漢字を読めない・書けない大人が増えた。“ハングルの使用を徹底する政策が大人の読解力低下に繋がっているのではないか”という専門家の見方もある。OECDの「国際成人力調査」では読解力などを10年ごとに調査しており、韓国は平均を下回り全体の22位に留まっている。成均館大学のチン・ジェギョ教授は「韓国の教育を放置した結果、ハングルが持つ限界があらわになった。漢字を学ばなくなったことで文章を読む力に支障をきたし読解力の低下を招いてしまった」と語った。韓国政府は今、“漢字教育の必要性”について議論している。イ・ジェミョン大統領は「私たちの言葉の主要な語彙はもともと漢字由来だ。漢字教育はやはり学ぶ必要があるように思う」と語った。今年春に「読解力特別委員会」を設置し、小学校の教科書への漢字併記含む教育強化対策の是非が議論される見通し。漢字教育の復活には“ハングルだけで十分”“子ども・親の負担になる”といった根強い反対の声も国内にある。ハングル文化連帯のイ・ゴンボム代表は、「小学校に入る前のハングルの読み書きができない子どもたちでも「チャドンチャ(自動車)」や「プモ(父母)」といった漢字由来のことばを使う。“漢字を知らなければ漢字由来のことばを聞き取れない”“意味を理解できない”という主張は行き過ぎている」と語った。韓国が今後どのような選択をするのか注目だ。
