NHKニュース7 (ニュース)
NATOの国防相会議で議題の一つになると見られるのが、ロシアとの国境に近いヨーロッパ東部の防衛態勢。ウクライナ侵攻の長期化を受け、加盟国の中には、独自の国境防衛に乗り出す国も出ている。会議には、ゼレンスキー大統領も参加し、ウクライナ支援の強化に向けて議論される予定。
NATO国防相会議でもう1つ協議される見通しなのが、ヨーロッパ東部の防衛態勢。現地では、今、ロシアへの脅威が高まっている。バルト三国の一つ、NATO加盟国のリトアニア。ロシアの飛び地につながる橋の手前では、戦車部隊の侵攻に備えた措置が取られている。バルト三国には、第2次世界大戦中、旧ソビエトに併合され、半世紀にわたって支配された苦い歴史があり、今もロシア系住民が多く暮らしている。ウクライナ侵攻が長期化する中、ロシアが同じロシア系住民の保護を掲げ、介入してくるのではないかと警戒が高まっている。ロシアの同盟国、ベラルーシとの国境近くの軍事基地では障害物の備蓄を開始、侵攻の兆候を察知した場合、前線に設置して防衛線を築くのがねらい。リトアニア政府は、こうした拠点を新たに27か所整備する計画。侵攻への備えは市民の間でも。今人気なのが、無人機の無料講習会。リトアニア国防省が市民を対象に先月から行っている。ここで学んだ技術を生かし、有事の際には国境の監視活動などを担ってもらう想定で、年間およそ1000人が受講する見通し。