Mr.サンデー (ニュース)
弾劾訴追案が可決された韓国の尹大統領。捜査の手も伸びる中徹底抗戦の構えを貫くのはなぜなのか。見えてきたのは保守系YouTuberの存在。混乱の韓国を緊急取材。昨日、国会付近に集結したのは、弾劾に賛成する約20万人の人々。そのうねりは、近くの飲食店にも。弾劾デモに参加できない人たちからの支援金で、参加者たちは無料で食事ができるという。国会前では寒空の下何やら訴えていたのは、与党「国民の力」の金相旭議員。手に持つ赤いプラカードには「保守の裏切り者は尹錫悦だ」と記されている。2度目となる採決で与党議員に向け、弾劾案に賛成票を投じるよう訴えていた。そして迎えた採決の時。前回とは違い、今回は全議員が参加。少なくとも12人の与党議員が賛成に回ったとみられ、弾劾訴追案は可決された。前回の採決から1週間。なぜ、造反議員が増えたのか。韓国在住のジャーナリスト・徐台教氏に話を聞くと、「世論の高まりが大きな要因になった」と指摘。一方、弾劾案の可決を受け絶体絶命のはずの尹大統領だが、今も強気の姿勢を崩していない。その背景にはいったい何があるのか。実は、国会から車で約30分離れた場所で、尹大統領の支持者約4万人が集結していた。彼らが窮地の尹大統領を支持するその訳を聞いた。彼らが口にしたのは、野党が勝利した今年4月の総選挙での不正疑惑。
実は今、韓国の保守派の間で存在感を増しているのが、保守系YouTuberの主張。そして今、現地メディアで取り沙汰されているのが、尹大統領が過激な保守系YouTuberの影響を受けているという疑惑。にわかには信じがたいが実際、尹大統領は談話の中で選挙の不正を声高に訴え、実際、突然宣布した非常戒厳の裏では、中央選管にも軍隊を送っていた。そして、その目的を「北朝鮮に肩入れする野党の暴走を止めるためだ」と力説していた。確かに、これらの主張は保守系YouTuberのものと一致するのだが、登録者90万人以上の保守系YouTuber、政治学の博士号を持つ李鳳奎氏に話を聞くと、「尹大統領は保守系YouTubeを沢山見ているという話を聞いた」という。就任式にも招待されたという李鳳奎氏は弾劾された尹大統領について「例え刑事訴追される最悪の事態になっても私は歴史に恥じない。やるべきことをやったという誇り、そんな使命感を持って(尹大統領は)今堂々と望んでいると思う」と話す。窮地の大統領と結びつく保守系YouTuberの主張。尹大統領の弾劾を巡る対立は韓国国内の分断をさらに深めることになるのだろうか。