列島ニュース 福井局 昼のニュース
越前市出身の国際政治学者・若泉敬氏は1972年の沖縄返還を前に当時の佐藤栄作総理大臣の「密使」としてアメリカ側と秘密交渉にあたり返還を実現させたが、亡くなる2年前の1994年に自身の著書で有事の際、沖縄に核兵器を持ち込むことを容認する「密約」があったと交渉の内実を明らかにした。沖縄に寄贈されるのは晩年、若泉氏と親交があった県内に住む男性が自宅に保管していた遺書で、若泉氏が著書を出版した1994年の沖縄の「慰霊の日」にあわせて書かれている。若泉氏は返還後も変わらず米軍基地が集中している沖縄の現状に強い自責の念を抱いていたとされ、沖縄県民に宛てた便せん5枚の遺書には「歴史に対して負っている私の重い『結果責任』をとり自裁します」などと書かれている。戦後80年の今年、遺書を保管していた男性が寄贈を申し出たということで、今年9月以降に沖縄の公文書館に寄贈され広く公開される。