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ヨーロッパで相次ぐロシア軍による領空侵犯。NATOはその結束力やロシアへの抑止力をためされている。ロシア軍による領空侵犯は今月10日にかけてロシア軍の無人機がポーランド領空を侵犯。13日にはルーマニアの領空を侵犯、19日にはロシア軍の戦闘機3機がエストニアを領空侵犯。デンマークとノルウェーで目撃された無人機はロシアが関与しているかわかっていない。デンマークのフレデリクセン首相は「ロシアによる関与を排除できない」と述べた。ロシアの思惑は?アメリカのシンクタンク戦争研究所はNATOの防空能力と政治的意思を試しているとの見方を示している。将来NATOとの衝突が起きた時に備えNATOが軍事的にどう対応する能力があるのか、どう行動すると決定するのか試しているという。ウクライナ支援を続けるNATO加盟国をけん制するとともにNATOの結束の不安定化、欧米の温度差をあぶり出す目的もある。領空侵犯を受けたポーランドのほか、スウェーデンは意図的であろうとなかろうとただちに撃墜する考えを示している。NATOのルッテ事務総長は「状況や戦闘機・無人機の脅威を分析する」と述べている。アメリカのトランプ大統領はNATO加盟国の領空に侵入した場合、撃墜を支持する考えを示した。ロシアへの苛立ちをつのらせていることの表れだとみられているがアメリカが支援するかどうかは状況によると述べるにとどまった。NATOには加盟国が攻撃を受けた場合、全体への攻撃とみなし対応をとる集団的自衛権の行使を定めた第5条がある。ロシア軍による領空侵犯があった場合、どこから攻撃とみなすのか集団的自衛権の行使はあるのか、明確な一致した方針を打ち出せるか試されている。望月麻美は「ロシア軍による領空侵犯は事態のエスカレートや誤算のリスクをもたらす。緊張をこれ以上高めないためにNATOの結束が試されている」などと述べた。