歴史探偵 (歴史探偵)
和歌山の高野山で平安時代に創建された寺には市、浅井長政の肖像画が所蔵されている。市は聡明で天下一の美女と謳われたという。浅井長政の出身は今の滋賀で、琵琶湖の恩恵を受けて豊かな国だった。長政はこぶりな和りんごが好物だったといい、領民から贈られて感激したという書状が残っている。これまで、市と長政の政略結婚は織田信長が持ちかけたと考えられてきたが、史料によると、長政がアプローチしたという。戦国時代を研究する小和田哲男名誉教授は「六角氏と手を切り、信長の力を借りることで領土を広げたい」といった野心があったと推測する。信長には女きょうだいが10人以上いたなか、「豊臣兄弟」で時代考証を務める黒田基樹氏は「最後に残っていたのが市」と説明。お犬の方を水軍を有する佐治家に嫁がせ、信長は軍事力を高めていた。また、毎月約1000万円をお市の方に送り、情報収集など諜報活動に使われていたという。清水克行氏は「姫たちは戦国時代の情報戦の主人公だった」と話す。
