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番組は今、美術館を混乱に陥れている贋作師本人とされる人物にインタビューすることに成功した。ドイツの贋作師・ベルトラッキだという人物は徳島県立近代美術館1999年に6720万円で購入し所蔵・展示している「自転車乗り」、高知県立美術館が1996年に1800万円で購入した「少女と白鳥」を描いたとしている。贋作疑惑が浮上したきっかけは徳島県立近代美術館の関係者が見たベルトラッキの贋作集だった。徳島県立近代美術館・竹内利夫課長は「インターネット記事に当館の所蔵している自転車乗りという作品と、同じ記事の中に高知県立美術館の少女と白鳥ではないかと思われる画像も入っていた」などと話した。高知県立美術館・奥野克仁学芸課長は「いい作品だと思って展示してきたのでびっくりした」と話した。この2点の絵画についてベルトラッキ氏は「少女と白鳥はよく覚えていないが1988年頃だと思う。当時はパリの美術商と取引していた。自転車乗りも当時はおそらく数百万円くらいだったと思う」や「おそらく3000万ドル(約47億円)稼いだ。クレイジーな業界である」などと話した。ベルトラッキ氏は2011年にドイツで14点の絵画を偽造した罪で懲役6年の有罪判決を受けている。“偽造絵画”はどのようにして美術館に入ってきたのか。帝京大学・岡部昌幸名誉教授は「画廊からオファーが美術館にあり、美術館の学芸員が絵の確認に行った。そこで文献や鑑定書などいろいろな調査をして改めて突き合わせて矛盾がなければ収集委員会・購入委員会にかけて専門家の意見を聞いて総合的に判断する」などと話した。画廊からオファーを受けた美術館は学芸員から絵の鑑定書や文献などを確認し、様々な専門家の目を通して購入する。徳島県立近代美術館・竹内利夫課長は「当時としたら一番信頼のおける鑑定書を信頼していた」と話した。今回も専門家の署名入り鑑定書を見て本物とだまされたという。帝京大学・岡部昌幸名誉教授は「我々専門家が見ても出来のいいと思われる作品を描く。ベルトラッキ氏は丹念に調べて資料をもとに描くことで有名な贋作家である」などと話した。贋作家・ベルトラッキ氏はなぜ贋作を描くのかとの質問に対し「どの絵画もそうだがその画家の絵が好きだから。もちろん金目的でないとは言えない。家族を養うためである」などと話した。作品をつくるために絵の歴史や作者のことを徹底的に調べるという。さらに「私の作品はコピーでなくオリジナルだ。人の作品をコピーしたことはない。常に自分で描いてきた」などと話した。実は徳島・高知の作品は本来のタイトルは明かなものの、作品自体は見つからず偽造しやすかったという。ベルトラッキ氏は「4世紀にわたる約120人の画家の贋作を描いた」などと話し、動機については「現代の美術品の市場はクソだから、大きな美術商やアーティストがやっていることは恥ずべきことだ」などと話した。そしてまだ日本には自分の贋作があるとしている。