映像の世紀バタフライエフェクト （映像の世紀バタフライエフェクト）
アメリカ同時多発テロ事件の当時の映像が流れた。テロでは多くの人が犠牲になり、街には星条旗が溢れた。そしてテロリストへの報復の声があがったという。犠牲者の中には24人の日本人もいた。犠牲になった杉山陽一さんの父の住山一貞さんは、日本とアメリカを何度も行き来して息子の捜索をしたという。テロ現場には他にも息子が犠牲になったという白鳥晴弘さんの姿もあった。
アメリカ同時多発テロ事件から1年後に、白鳥さんはビンラディンに手紙を書いたという。そして2003年に白鳥さんはビンラディンとの面会を果たすためにアフガニスタンを訪れた。そこはアメリカ軍の空爆を受けていた。白鳥さんはアメリカから攻撃を受けて傷ついた子どもたちの姿を見たという。そこでアメリカから攻撃を受けて傷ついたエフサヌラ・ラフマトゥラという少年と出会ったという。白鳥さんは子どもたちが抱える憎しみと貧困を断ち切ることが息子の供養になると考え、何度もアフガニスタンを訪れて支援したという。
アメリカ同時多発テロ事件以降にアメリカでは反イスラムデモが発生し、イスラム教徒への暴力事件が多発していたという。テロから4日後にはアラブ人を狙った殺人事件が起きた。犯人のマーク・ストローマンは同時多発テロを受けて中東系の人々を狙ったと語ったという。またアメリカでは志願兵が急増し、2003年からイラク戦争が始まった。戦争に参加したスナイパーのクリス・カイルは除隊後に不眠症や原因不明の高血圧に悩まされるようになったという。帰還兵の多くは、その後もPTSDに苦しんでいるという。
2016年のテロで息子を亡くした住山一貞さんの映像が流れた。住山一貞さんは911テロの背景やテロリストの詳細が書かれた公式報告書を翻訳する作業を行っていた。住山一貞さんは「真実に迫りたいという執念があった」と語っている。そして2021年に翻訳が完成し、出版されテロの真実を知る貴重な資料になっているという。一方でテロで息子を亡くした白鳥晴弘さんは都内で焼き鳥屋を始めたという。店ではアフガニスタンやウクライナの若者などを店で雇ってきたという。住山一貞さんも店の常連だという。
テロの直後に報復として2人を殺害したマーク・ストローマンは死刑が決まった。しかしその死刑の減刑を被害者であるレイス・ブイヤンが求めたという。しかし、マーク・ストローマンの死刑は予定通り執行された。一方で白鳥晴弘さんは争いが絶えない世界を変えられるのは子どもたちだと思っているという。アフガニスタンで交流を続けたエフサヌラ・ラフマトゥラについては消息がわからない。ただカプール空港でアメリア軍関係者を3人殺害した犯人の名前がエフサヌラ・ラフマトゥラと伝えられ死亡していると報じられているが、同一人物なのかはわかってないという。