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(オープニング)
オープニング
(さわやか自然百景)
山口 秋吉台と長門峡
山口県の中央部に位置する秋吉台は、石灰岩が雨水や地下水などで侵食されてできた地形。地表に並ぶ白い岩は石灰岩。すり鉢状の窪地はドリーネと呼ばれている。5月、カルスト台地は一面緑の草で覆われ、たくさんの虫たちが草の葉や花の蜜を求めて活発に動き回る。虫を狙ってホオアカなどの鳥もやってくる。草原で子育てをするセッカは繁殖場所を巡って縄張り争い。繁殖期を迎えたホオジロのペアは草むらに作る巣の材料を集めていた。6月、ホオジロの雛が生まれていた。絶え間なく虫を運ぶ親鳥は忙しい日々が続く。
秋吉台から北東に約26kmの長門峡。深い谷が山々の間を縫うように続いている。深さは場所によって200mを超える。元々この辺りは溶岩が固まってできた大地。数十万年かけて川の流れが大地を削り深い峡谷が生まれた。11月、峡谷を覆う森は紅葉の季節を迎える。多くの木は実をつけ、実りを求めて多くの生き物が集まってくる。ヤマガラはモッコクの実を次々とついばみ、谷間の森の木の上ではニホンザルがムベの実を食べている。ムベはサルに食べられることで種を遠くに運んでもらえる。紅葉の森の間を流れる谷川は流れの緩やかなところには冬を過ごすために北国からやってきたオシドリが集まる。多様な環境が多くの命を育んでいる。