- 出演者
- 岩渕梢
ツキノワグマは体重100kgを超えるものも多い。ヒグマの場合300、400kgになるものもいて本当に大きい。突然出くわしたら本当に驚く、クマの出没。今年も相次いでいる。全国で人の被害人身被害に遭った人が過去最多になっていて北海道から中国地方まで被害が出ている。5月末の時点で、すでに15人とその後も被害は相次いでいて、先週も青森県でクマに襲われた女性が亡くなっている。去年、全国で最も人身被害が多かった、秋田県のデータでも以前はクマの人身被害は山林で起きるのがほとんどだっただが、近年は人の生活圏で起きるケースが非常に多くなってきている。人口減少や地方の過疎化によって里山の手入れがされなくなったり、耕作放棄地も増えたことでクマが身を隠して人里まで接近できるような茂みが広がってきたことが要因。餌を求めて人里にやって来ると外では庭の柿の木に実が残っていたり、生ごみが出ていたりと、簡単に餌が入るおいしい経験をしたクマが増えていると考えられている。
人里に現れるクマの対策はどうしたらいいのか。身を隠せる茂みを減らすこと、近所の草むらの刈り払いなどをきちんとしていくこと、餌になるものを放置しない。庭の果実などは実がなったら収穫することや、生ごみを外に放置しておかないことも重要になる。出没をゼロにするのはなかなか難しいので、人身被害をいかに減らすかということ。速やかな捕獲などを自治体や警察なども対応も重要になってくる。訓練の様子を取材。秋田県横手市で県と市警察、猟友会、合同で熊出没時の対応訓練が行われた。この日の設定は、住宅地の道路で熊がトラックと接触し、けがをした状態で周辺に潜んでいるという状況。ドライバー役から通報を受けた横手警察署が市役所に連絡。市はあらかじめ鳥獣被害対策実施隊として非常勤職員の扱いにしている猟友会のハンターらに出動を求める。正当な理由なく銃を持ち歩くことは銃刀法で禁じられている。秋田県では現場に猟銃を持って行けるようにそのエリアでの有害鳥獣の捕獲許可というのを市町村が出す形を取っている。今回は本物の銃ではなく模型の銃を持つハンターと警察行政の担当者がいくつかのチームに分かれてクマを捜索する。市街地では狩猟はできないが、警察官職務執行法という法律で警察官が人命を守るために必要な措置としてハンターに銃の使用を命じる形で発砲が行われる。
市街地にクマが出た場合というのは現在の法令で対応が難しい面もあり、そのため国は今、鳥獣保護管理法という法律を改正して先ほどのような警察官の命令による形でなくても発砲できるようにといったことを検討している。銃を使うことに伴う安全をどう担保するかなどが課題。クマ対策は時に命の危険もあるし対応できるハンターの数も減ってきている。趣味で狩猟をしている猟友会に頼る形でよいのかなど課題も多くて今後、人命と生態系をともに守っていけるような持続可能な仕組みが求められている。人里にクマが近寄りにくいような環境を整えていくことで人と野生動物が住み分けていけるようになるというのが目指すべき1つの方向性だと思う。
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- 鳥獣保護管理法
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