- 出演者
- 小手伸也 渋谷凪咲
この番組は、歴史的上の出来事に焦点をあて、今再現したらいくらかかるのかをはじき出す見積もり歴史エンターテインメント。今回のテーマは「参勤交代」。仙台藩の四代藩主・綱村の参勤交代をモデルに見積もりする。
今回は伊達家の参勤交代の費用を見積もる。スタジオで仙台藩の参勤交代の費用のおおまかな見積書を紹介。仙台藩は数百人~数千人が参勤交代に参加、今回は2000人で算出。江戸時代は260年以上続いたため物価やお金の価値が絶えず変化していたため現代との比較は難しかったと渡邊先生は語った。今回は1両=10万円で計算。見積もり合計は江戸時代当時で2億467万円~となった。
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- 伊達綱村
7泊8日、2000人の宿泊費はいくらなのか。元禄14年(1701年)の参勤交代の総距離は約360km(1日平均45km)。早朝6時頃に出発し夜6~8時に宿に到着。藩主や重臣たちは本陣と呼ばれる高級な宿に宿泊。その他は旅籠と呼ばれる安宿へ。当時の記録を元に算出したおおよその宿泊費は本陣が1人1泊7500円、旅籠が5000円。馬1頭の宿泊費は12500円と藩主より高い。エサ代や馬を管理する人件費がかかるためだという。さらに、参勤交代では各藩の負担を減らすため割引料金で宿泊できたという。7泊8日の当時の宿泊合計は7612万5000円と算出された。
参勤交代の宿泊代は令和の今だといくらになるのか。大手旅行代理店のカリスマ添乗員・平田さんに当時と同じ行程で2000人が宿泊するといくらになるのか見積もってもらう。しかし、かつて宿場だった町も様変わりしており、同じルートで2000人の宿泊は難しいという。そこで、現状を勘案してもしものプライスを算出してもらう。ホテルや旅館を複数に分けておさえ、1泊(夕食付き)1万2800円で見積もり、藩主や重臣たちには名門ホテルや高級旅館のツインをシングルユースで1泊8万円で用意。馬はパーキングで考え算出すると、見積もり額は2億599万6000円という結果になった。
令和の見積もり結果は宿泊費だけでも高級マンションが買える価格に。現代では1年がかりになるという宿の手配。渡邊先生は、江戸時代は宿泊担当の専門部隊が大名行列に先行して宿を押さえていたと解説した。仙台藩の記録を元に計算した食事代の合計は人と馬で計約1250万円。現代での見積もりだと1715万円となる。
1週間かけて1000人単位が移動する参勤交代。衣類や提灯などの必需品だけでも持ち物は膨大。藩主のために持参する意外な持ち物は携帯トイレやお風呂。暗殺のリスクを軽減するためだという。また、参勤交代には藩主専用料理人も同行し毒殺から守っていたという。紀州藩では藩主は縦3mの鉄板を敷いて就寝しており、刃物を通さない鉄板は江戸時代初期で価格は約28万円だという。携行品の中で最も高価なのは甲冑。
参勤交代の携行品は現在ならいくらかかるのかを算出。藩主用のお風呂やトイレはキャンプ用品や災害グッズでまかないそれぞれ5000円。専属料理人は1日2万の出張サービスを利用、刃物を通さない鉄板は軽いアルミニウムで代用。藩主の甲冑は甲冑師の笠井さんが見積もる。伊達家の甲冑は実用性を重視していて、随所に細かい仕事も施されている。再現すると制作期間は3~4年かかり、1500~2000万円がかかるということだった。令和の携行品代の合計は約2000万円となった。
境の明神は仙台藩が江戸に向かう際に必ず立ち寄り安全を祈願した重要な場所。関係者や近隣住民に酒や餅などを振る舞っていたという。さらに、家来たちにはご祝儀も配られていて計約470万円の出費。他にも、仙台から江戸までに8つの城の前を通り、必ず城主に挨拶し大判3枚を引き物としていた。大判は1枚85万円で、合計2040万円になる。挨拶代&ご祝儀は計2512万5000円となった。令和では挨拶する殿様がいないので同行者2000人へのご祝儀のみでもしものプライスを算出。1人5000円で計算し1000万円となった。
栃木・さくら市にはかつて仙台藩が参勤交代で立ち寄った喜連川の宿場町があった。喜連川藩は小さな藩だったため参勤交代は宿場の大きな収入源だった。しかし、ある年の参勤交代で仙台藩は出費を抑えるために喜連川に立ち寄らずに江戸を目指した。その計画を喜連川藩の殿様は事前に察知。仙台藩が通る橋の下で待ち構え、声をかけ金一封をもらったという言い伝えが残っているという。
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- さくら市(栃木)
参勤交代には宿場から宿場にリレー方式で荷物を運ぶ宿継人足という人たちが雇われていた。仙台~江戸の宿場は67か所、1か所の宿場で人足25人・馬25頭がサポート。人足はチップ込みで1人3500円、馬1頭4500円。計1340万円となる。大名行列の花形・槍持のパフォーマンスは一大アトラクションになっていた。そんな行列の花形は通日雇と呼ばれるアルバイトで、いわば荷物餅兼にぎやかしのサクラだった。通日雇200人と仮定すると8日間の人件費は2800万円となる。
このアルバイト代は令和の今ならいくらなのか。平均時給、馬は撮影用のレンタル業者の額を元に算出すると1億3800万円となった。さらに、通日雇の分が加わると1億5800万円となる。
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派手に江戸入りしたい大名たちは力士も参加させて威厳を誇示していたと渡邊先生は解説した。
家来たちの出張手当は5000万円近くに。令和の出張手当は平均を2000人で計算すると計3608万円。すべての数字が出揃い、令和の参勤交代の見積もり金額は4億4813万3600円となった。これはあくまで片道分の概算で、帰りの費用や江戸の滞在費を含めると仙台藩は年間予算の約3分の2ほどを参勤交代に使っていたという。参勤交代によって流通が活発になりインフラが整備され、貨幣経済が発達。日本近代化の礎となったという。
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- 産労総合研究所
小手伸也は「勉強になった」と感想を語った。
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