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オープニング映像。
香川県高松市福岡町にある旧香川県立体育館。ワイヤーで屋根を吊って柱がない大空間を実現。前後に大きく屋根がせり出し、和船を思わせる外観から、船の体育館と呼ばれてきた。設計をしたのは世界的建築家の丹下健三氏。最初の東京五輪が行われた1964年に完成した国立代々木競技場は、同じつり上げ構造を持っている。丹下が同時並行で進めていた兄弟作で世界遺産を目指す活動も行われている。一方香川の方は老朽化などで2014年に閉館。保存を求める声もあったが、解体する方針に。県と県の教育委員会は新しい県立アリーナを整備。旧香川県立体育館は有効な活用策がない、安全面などを考慮して解体することになり、県議会は10億円の解体工事費を可決した。自体が動いたのは4ヶ月後。建築家などが設立した旧香川県立体育館再生委員会。県から建物と敷地を買い取って、全額自己資金で耐震補強や改修をする提案だった。
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再生委員会の委員長の長田慶太さんは住宅や店舗などの設計に携わっている。解体工事日の概算が10億円という数字に、県が入札不調が続いて改修を断念した価格は8.1億円あまりだった。長田さんは解体費用を保存・活用のために使えないか、第三者を交えて検討するよう教育委員会に働きかけた。複数の県議会議員にもアプローチをした。その後長田さんは買い取りの方向で舵を切った。再生委員会が提案したのはブックランジを備えたホテルにすること。収益施設にし、事業への参画や出資を検討している企業やファンドが複数あり、初期投資のメドはたっているという。
その提案を受けて香川県は時間をかけて行うもので具体的な提案にはなっていない。予定通り解体を進めたいとした。安全確保が急がれると解体工事業者の入札が始まった。再生委員会は2回目の記者会見を開き、前回は実名をあげなかった出資・参画を表明した企業も出席し、初期コストの調達や収支の見込みを説明した。再生委員会のメンバーは香川県の県教委の担当者による面談の場へ。建物の耐震性が話の中心に。香川県が倒壊の危険性があるとする根拠は2012年にTANGE建築都市設計が実施した耐震診断の結果。再生委員会の主張は診断について弱点ををあぶり出し、より良い耐震改修工事を行うために簡略化された構造モデルで解析されているとし、解体の根拠として使い物ではないとした。この翌日に教育長と県の営繕課長が緊急の記者会見を行った。耐震診断所には読み違えはないとした。旧香川県立体育館の保存と再生を求める署名は3ヶ月間で5万人が集まった。しかし解体工事の請負契約の8億4700万円が承認された。
長田さんは香川県を相手取って住民訴訟に踏み切った。民間資金の再生案の協議・検討を行わずに県が公金を支出するのは違法と訴えている。最大の争点は耐震性。被告の香川県側は法律や官庁の耐震性診断基準に従い、耐震性の判断は正確とした。12年の耐震診断報告書は国土交通省の示す安全の評価に当てはめると倒壊、または崩壊する危険性はあるとある。これは、危険性が高いに継ぐ、分類上2番目に高いが、基準をやや下回っている程度。一方で建物の粘り強さを示す指標は基準を大きく上回っていた。地震による耐性性能に詳しい東京大学の名誉教授は、阪神淡路大震災の統計的調査などを行ってきたが、倒壊するのは考えにくい等とする意見書を提出。県は倒壊する危険性をことさら強調して以降も敷地を駐車場として開放し続けていた。
4月に香川県は旧香川県立体育館の解体工事に着手。植栽の伐採や石垣の撤去などから始め。9月には建物本体の解体に進んだ。原告側は建物の現状を維持する証拠保全を申し立てていた。戦後の復興期に建てられ、都市のランドマークにもなってきた建築物。老朽化が進み、解体されるケースが全国で相次いでいる。そんな中一時は解体の危機にありながら、行政と民間の手にあって再生の道を歩んだ建物も。坂倉準三が設計した旧上野市庁舎は完成して60年が経過し泊まれる図書館に生まれ変わった。水平連続窓と呼ばれるガラス面は木目調のコンクリートの柱など建物の特徴はそのまま。スイートルームは以前は市長室だった。19の客室を揃えている。この旧市庁舎は解体かするか揺れたが、民間の資金やノウハウをかつ様子するPFI方式で整備された。建物の改修や維持管理は図書館の運営は伊賀市。ホテルやカフェの整備や運営は民間が行う。公共施設の再編計画にも取り組む建築家の藤村さんは公民連携の成功事例をもっと積み上げていく必要があると指摘した。
9月に届いた報道機関の香川県と県教委からのお知らせ。解体に向けた動きが初めてストップすることに。高松地裁の要請を受けて県が1ヶ月間工事を中断を決定。原告側から依頼した業者が耐震の調査を行う。司法による待ったに、丹下健三の長男が動いた。2012年に自社が行った耐震診断の結果を、香川県が解体を急ぐ根拠にしていることに抗議する声明を出した。香川県は現地調査で得られたデータをもとに裁判所が選んだ専門家による鑑定には数ヶ月かかる見通し。しかしこれを待たずに解体をすすめる方針だという。9月には解体工事が中断。一ヶ月間でコンクリートの圧縮強度を地盤のボーリング調査などを行った。
エンディング映像。
