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今回の舞台は国道4号線沿いにある24時間営業のドライブイン。ボリューム満点の料理のほか、お風呂まで提供されている。
福島県二本松市の国道4号線沿いにそのドライブインはある。撮影開始。お座敷とテーブル席がある。混んではいない様子。ホルモンの煮込みを食べている男性に声をかけた。男性は近所に住んでいて、50年以上前から通っているという。ホルモンの煮込みはここの人気メニュー。別の男性に声をかけた。モツ煮が好きだが、きょうは別のものを注文。トラック運転手で、荷物を運ぶ途中のお昼ご飯に立ち寄ったという。メニューは50種類以上ある。お昼時、次第にお客さんが増えてきた。東京で商品を納品し、山形への帰り道に立ち寄ったという男性がいた。経費節約のため下の道を通ってきているという。店の外には広い駐車場があり、車中泊をするドライバーも多いという。お昼すぎ、2人組の男女が来店した。男性はシンガーソングライターでここにはよく通っている。男性はかつて交通事故でギターやバイクができなくなってしまっていたが、懸命なリハビリにより、最近では曲作りも再開したという。「お腹が空く歌」という自作曲をスマホで聴かせてくれた。夕方5時半、男性が撮影クルーに話しかけてきた。男性は地元の消防団で、仲間の消防団の男性たちと待ち合わせていた。相談事があるとここに集まるのだという。男性たちはテーブル席で話した後、ドライブイン内にある有料の湯船に浸かった。その後、雨が降り出したが、人の出入りは絶えなかった。定期的に集まるレトロな車の愛好家仲間などがいた。昭和47年に創業したドライブイン。午前3時半ごろ、定食を食べる男性と、晩酌をする男性が向かい合って座っていた。2人は本業は石大工だが、今は夜勤でソーラーパネル関係の仕事をしているのだという。
撮影2日目。午前5時半、雪が降り出した。こんな時間にもお客さんが来店した。常連の男性。運転代行の仕事の帰りに立ち寄った。家族のためにモツ煮を買って帰ることが多いのだという。夜が明けても雪はしんしんと降り続く。午後1時半、1人の男性客に声をかけた。介護の仕事の夜勤明け、家で仮眠を取った後に来たという。男性は食事のほか、サウナも利用した。夜9時前、マーボー定食を注文した男性に声をかけた。男性はペットショップの店員をしている。この道に進んだのには複雑な家庭事情の中で、動物に支えられた経験があったからだという。夜10時半過ぎ、こんな遅くに家族連れがいた。父親の背中を追ってトラック運転手になったという男性と、その妻と子どもたち。自身が子どもの頃、父親に連れてきてもらっていたドライブインに、きょうは自分の子どもたちを初めて連れてきた。午前3時前、82歳になる店主の女将さんが片付けをしていた。52年前、国道のバイパス開通に合わせ、義理の父が始めたお店。夫婦で跡を継ぎ、夫の死後も守ってきた。
撮影3日目。またしても雪だったが祝日とあって、お昼時は混み合っていた。テーブル席の家族連れに声をかけた。息子さんが青森から帰省し、お気に入りの床屋で髪を切ってもらったついでに立ち寄ったという。息子さんは少しでも災害の多い日本で役に立ちたいとの思いから、自衛隊に所属しているという。きょうは息子さんのおごり、ご両親への恩返し。ご両親は「今日は特別おいしかった」などと話した。夕方、女性2人組(親子)に声をかけた。母親はシングルマザーで、娘が小さい頃は工場勤めの傍らで家事や育児もあり家計も苦しかったという。この店にはその頃からお世話になってきた。かつては1人分を娘と2人で分けていたが、店員さんはそれを察して気遣ってくれていた。娘は既に成人したが、今でもこのお店には感謝していて、恩返しの意味も込めて通い続けている。
撮影4日目。近所の運送会社の社長が、社員の朝食のために焼き魚定食をテイクアウトさせてもらっていた。最後に出会ったのは1時間歩いて来たという中2男子4人組だった。ここには通うことになりそうだという。
「ドキュメント72時間」の次回予告。