- 出演者
- 角谷直也
オープニング映像。
日本製鉄はおととし12月USスチールの買収することを両社で合意した。その後、アメリカ政府のCFIUSが安全保障上のリスクに関する審査を進めてきたが、審査期限とされていた先月23日までに全会一致に至らず、買収を認めるどうかの判断はバイデン大統領に委ねられていた。ホワイトハウスは3日、バイデン大統領が買収計画を禁止する命令を出したことを明らかにした。国家安全保障上の懸念が理由だとしている。その上で日本製鉄とUSスチールは命令日付から30日以内に取引を完全放棄するための必要な全措置を講じると命じている。巨額の買収計画は大統領によって阻止される異例の事態となった。
買収計画が問題とされた背景には政治的理由が大きい。大統領選挙期間中、トランプ氏が買収を認めない考えを明らかにした。さらに3月にはバイデン大統領が否定的考えを表明し、9月にはハリス副大統領も続いた。全米鉄鋼労働組合が反対していて、選挙に勝つため労働者の支持を得ようと動いたとみられる。ただ選挙が終わった後にバイデン大統領がなぜ判断に至ったかは分からない。日米関係への影響についてニューヨーク・タイムズはアメリカが長年築き上げてきた開かれた投資文化からの逸脱だ、同盟国で最大投資国の日本との関係を揺るがしかねないと懸念を伝えている。日本製鉄はUSスチールの買収は雇用の維持や投資の継続につながりメリットしかないと一環として主張してきた。アメリカ政府の判断は不当だとして訴訟を起こす可能性があるが、アメリカ大統領の判断は重く結果を覆すのは難しい見方もある。そうなると着実な成長が認めてアメリカでの戦略の見直しも迫られそう。今回のアメリカ政府の判断は日本企業経営者にとって大きな懸念材料で日本企業が今後、アメリカへの投資に二の足を踏むことにもなりかねない。
日本製鉄によるUSスチール買収計画についてバイデン大統領がこの計画を禁止する命令を出 したと発表した国家安全保障上の懸念が理由だとしている。巨額の買収計画は大統領によって阻止される異例の事態となった。
エンディング映像。