2024年6月30日放送 10:00 - 11:00 テレビ朝日

リーダーズサーチ 街でウワサの匠さん

出演者
城島茂(TOKIO) 松本薫 
(オープニング)
オープニング

2024年1月1日、最大震度7の揺れを観測した能登半島地震。あの日からもう半年が経とうとしている。そんな震災の傷痕が残る被災地で奮闘を続ける1人の匠が。今回はリーダーズサーチ特別編“輪島塗の伝統を守るために奮闘する匠に密着”。復興が進まない被災地の今に迫る。

キーワード
令和6年能登半島地震輪島塗
(リーダーズサーチ 街でウワサの匠さん)
震災から半年…石川県輪島市 歴史ある輪島塗の匠とは?

今回訪れたのは能登半島地震でとくに被害が大きかった石川県輪島市。リーダーと一緒に匠を調査するのはロンドン五輪柔道女子金メダリスト松本薫さん。石川県出身で高校生までの18年間を金沢市で過ごした。震災以降輪島市に来るのは初めてのことだという。松本さんは「現実を知って、本当だったんだと気づいた」などコメント。そんな中輪島塗の伝統を守るために奮闘する匠がいるのは港からほど近い場所。輪島塗の匠・山崖松堂さん59歳。歴史ある自宅兼工房が1月の地震で全壊。輪島塗の作業も出来ない状況に。そのため現在山崖さんは自宅横の物置の中で作品づくりをしている。山崖さんは輪島塗について「(輪島塗は)木地に布を塗り下地を厚く施し、輪島特産の地の粉を漆に混ぜて作る漆器」と紹介。500年以上の歴史がある輪島塗、国の重要無形文化財にも指定されている。そんな輪島塗に使用される漆は漆の木の樹液で耐水性や防腐性が高く、漆を塗った器は堅牢で古来より重宝されてきた。その漆を使い山崖さんは究極の輪島塗とも呼ばれるものを作っている。山崖さんは「本来の輪島塗は感想など保存環境の影響でひび割れを起こすことも。そのため芯から漆を使って漆だけでものづくりをしようと」述べ芯漆の輪島塗を紹介した(本来の輪島塗は木で出来た土台に漆を塗り重ねて作る)。漆器は水に浮かぶが、芯漆は水に沈むという。山崖さんの芯漆は何年経ってもひびが入ることもなく、色合い・形を保つことができるという。

キーワード
ロンドンオリンピック令和6年能登半島地震漆の木芯漆輪島塗輪島市(石川)金沢市(石川)

「輪島塗“芯漆”の製作方法と完成までの時間」を紹介。芯漆はまず発泡スチロールの型に漆を塗り重ねていき形を作っていく。そしてある程度厚みが出たら発泡スチロールを削り取ることで漆だけで作られた輪島塗になる。長いものだと完成までに20年近くかかるという芯漆。山崖さんに漆を塗る作業を見せてもらうことに。山崖さんは「僕は手で漆を塗る。おそらく日本では僕だけ。輪島塗は漆を約10回塗り重ねるが芯漆は約400回塗り重ねる。手で塗ることによって出る模様がある」などコメント。さらに漆にもこだわりがあるという山崖さんは「全部日本産漆にこだわっていて。いま作られている漆のほとんどが中国産。国宝・重要文化財建造物の保存修理に原則として国産漆を使用なければならないという法律ができた。そうなると市場に国産漆が出回らなくなって手に入りにくくなっている」などコメント。国産の漆の値段は中国産の約5倍だが、山崖さんのもとには代々受け継がれてきた国産の漆が保管されていた。山崖さんは「漆は酸、アルカリ、アルコールに腐食されない。塩酸の液に入れても漆は溶けない。僕らの願いとしては千年、二千年、人類が続く限りこの漆器を大切にして輪島塗として使っていただきたい。(値段は)ものにもよるが大体15万円くらいから始まって、高いものでは100万円近く」などコメント。

キーワード
文化庁芯漆輪島塗輪島市(石川)

「輪島塗“芯漆”独自の色合いや模様の秘密」を紹介。山崖さんは「主に青い色はラピスラズリなどの鉱石を砕いたものを漆に混ぜて様々な色合いをだしている。あとはウルトラマリンなどを混ぜてこういった色を出していく」などコメント。山崖さんの作品(芯漆)。万寿尊、ツクヨミ 彩色が紹介された。そして都内の料亭で山崖さんの唯一無二の芯漆が。

キーワード
ウルトラマリンブルーツクヨミ 彩色ラピスラズリ万寿尊東京都芯漆輪島塗輪島市(石川)
輪島塗の伝統を守るために奮闘する匠 完成まで数十年!漆のみで製作”芯漆”

山崖さんの思いがつまった作品を見せてもらう。レーザーで貝をアルファベットや数字に切り出す。映画「マトリックス」の文字が降ってくるものを再現。制作期間は12年。唯一無二の輪島塗を作り続ける山崖さん。東京・神楽坂にある懐石料理店「ふしきの」では約20年前から芯漆を使用。「ふしきの」では店内にギャラリーを併設。気に入ったものがあればその場で購入できる。器だけではない驚愕の作品。孔雀のお香入れ、さらに孔雀よりもすごい作品がある。それが、漆のみで作られた仏像。パーツごとに作成し組み立てる。細かい線や顔の表情はやすりで削って浮き立たせる。完成までに18~20年かかったという。独自の輪島塗を追求してきた兄弟。

キーワード
ふしきのマトリックス神楽坂(東京)輪島塗輪島市(石川)
輪島塗の伝統を守るために奮闘する匠 山崖松花堂 17代目 山崖松堂(59)

しかし、その環境は震災によって一変。山岸さんの娘・日向子さんの第1子・縁くん。震災の約2週間前に生まれ、帰省中に被災した。娘さんは高台の避難所に身を寄せていた。消防士である息子の海さんは震災で大規模火災が起きていた輪島朝市の消火活動へ。輪島はプロパンガスのため、火災で爆発した。朝市から数百メートル離れた場所ではビルが横倒しになっていた。

キーワード
ロンドンオリンピック令和6年能登半島地震輪島塗輪島市立輪島中学校輪島市(石川)輪島朝市
震災から半年…石川県輪島市 被災した匠の仲間”魚問屋”の現状

山崖さんの釣り仲間の新甫将人さんの現状を紹介。魚問屋「新甫商店」を営んでいて、石川・輪島の港がダメなので、能登町に毎日仕入れに行き商売をなんとかやっている状況とのこと。自宅兼仕事場で2階に住んでいたが、震災で外壁や瓦は崩壊し今はもう住めず雨が降ると屋根から雨水が入り込む。震災の時に冷蔵庫などすべてがだめになり、仕入れていたものを奥さんと2人で泣きながら捨てるのが一番始めの仕事だったそうだ。今は冷蔵庫も復活したくさんの魚が入っているが「在庫を入れるのが怖い」と話す。

キーワード
イワシカニサバ新甫商店能登町(石川)輪島(石川)
震災から半年…石川県輪島市 被災した”漁師”と”港”の現状とは?

底引き網漁師の沖崎勝敏さんに話しを聞きに港へやってきた。震災前、船は高い位置で接岸されていてはしごを使って登って乗り込んでいたが、地震の影響で海底や港の地面が隆起したため港側が上がっている。そのため水深が浅くなり船が出せなくなった。現状「みんな無職」で、舳倉島が津波でひどい状況でそこの掃除をしているそうだ。港にある獲ってきた魚を荷揚げする場所と港とは段差ができた状態で中も片付けはされず地震が起こった時のままになっていた。本来は賑わっていた場所で新甫さんは「漁師さんが復興してくれないと自分たちも仕事にならない」などと話し、山崖さんは「震災後はあまり魚を食べられていない」などと話した。この港では加能ガニやノドグロなどがよくあがっていたそうだ。

キーワード
ノドグロロンドンオリンピック加能ガニ舳倉島金沢市(石川)
震災から半年…石川県輪島市 被災した仕事仲間”呂色師”の現状

輪島塗の呂色の職人の園一郎さんは山岸さんの中学生の同級生。呂色の作業は刷毛で塗ってできた凹凸を研磨炭で磨き平らにしていく作業で、磨いたあとは鏡のようになる。園さんは震災当時は石川・金沢市に向かっていたが市内に入った途端に地震がありそのままとんぼ返りで戻ってきたが、停電・断水で1週間から10日くらい車の中で寝泊まりしていたそうだ。作業をしていると辛いことが一瞬だけでも忘れられるとのこと。

キーワード
正月金沢市(石川)
震災から半年…石川県輪島市 PR動画で輪島塗を守る仲間も

輪島塗の伝統を繋いでいく仲間は他にも。輪島塗りのPR動画を紹介。この動画を作ったのは元蒔絵師の山下満さん。「自分は映像でバックアップする、映像を見て素敵だなとか、欲しいな、使っていないなという映像の力が出ればいいなと思う」などと話した。

キーワード
岡垣漆器店

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.