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本日の世界遺産は古代都市シーテープとドヴァーラヴァティー遺跡群。
タイの中部にあるシーテープにある古代都市シーテープなどの遺跡が登録されている。古代都市シーテープはお掘りに囲まれた円形と長方形の都市の2つのエリアからなる。直径1.5kmほどの円形都市が先に作られ、堀は敵の侵入を拒むために7世紀頃につくられた。古代都市シーテープは歴史公園として公開されており観光客は公園内を走るバスで史跡巡りをする。2023年に世界遺産に登録されたばかり。遺跡は森に埋もれており1978年に発掘調査と同時に修復も行われた。遺跡内には人口の貯水池もあり、雨季に蓄えた雨の水で生活用水にも用いられていた。後に作られた長方形の都市は繁栄とともに10世紀頃に拡張されたとされる。大きな遺跡はなく観光客も訪れないため地元の人のみが許可を得て放牧を行っている。都市を作ったのはモン族。モン族はチャオプラヤー川流域にいくつもの都市を作っておりその連合体がトヴァーラヴァティー王国。
聖なる山にモン族を知る手がかりがあるという。聖なる山とされる「カオ・タモーラット」。山頂付近にあるのがカオ・タモーラット洞窟遺跡。自然の岩には仏陀などが浮き彫りで彫られている。
6世紀頃から繁栄し独特な文化が生まれた。古代都市の周囲でも発掘が続いてる。「カオ・クランナイ」は1400年前に作られた仏教寺院。現在は朽ち果てているが一番上には塔があり祈りの場になっていた。発掘時土を掘ると見つかったのは小さな像でいくつも並んでいた。力士のように踏ん張っている姿で肩で遺跡を担ぐポーズで神聖なものを支えているという意味だという。インドにあるサーンチーの仏教建造物の門を支えるのがインド神話の鬼神「ヤクシャ」で仏教に取り入れた際に守り神となった。それがシーテープに伝わった。像には猿や獅子の顔になったヤクシャがおり、様々なヤクシャが宇宙を支えているとされる。カオ・クランナイは中々の人気となっており、近くの売店では守り神を象ったアイスクリームが販売されている。
古代遺跡の北にあるのがカオ・クランノーク遺跡。聖なる山を模した巨大仏塔で真上から見ると正方形でラテライトを用いた2層式となっている。現在のタイの人々の多くは仏教徒で「三宝節」になると遺跡で儀式が行われた。1984年頃発見時は自然の山のような状態で2008年に発掘調査が行われ仏像も発見された。同じ頃に作られたインドネシアのボロブドゥール寺院遺跡群も巨大寺院で中心には釣鐘型の仏塔があり、カオ・クランノークも同じような仏塔があったと考えられている。
モン族が作った遺跡からはヒンドゥー教の神の像が発見された。6~8世紀頃にカンボジアにクメール人国が出来、その後アンコール王朝を作りヒンドゥー教寺院を作っていった。アンコール・ワットの北にあるバンテアイ・スレイは傑作と言われている。シーテープにもアンコールの影響が強まった。シーテープはアンコール王朝の支配下に置かれ衰退していった。
世界遺産の次回予告。
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