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オープニング映像。今回は企業のの物流に変革を紹介する。
早稲田大学ビジネススクール教授である入山章栄さんに話を聞く。現在多くの企業にデジタルトランスフォーメーション(DX)は求められている。今回は物流のDXにスポットを当てるが、物流業界でDXが進まない理由に関して入山氏は実際に物を運ばなければいけないこと、現場には多くの人が存在し調整が必要なこと、まだ物流業界には手書きの文化が残っていることだという。
そんな中、大手食品会社が物流事業を2019年に統合。業界全体で「F-LINE」という物流会社を立ち上げた。ここで問題となったのが午前中の行う荷下ろしの際に発生する待機時間。この待機時間に関して解決の糸口を見出したのは「Hacobu」という会社。「MOVO Berth」というトラック予約受け付けサービスを立ち上げ、800社が導入した。入庫の予約を行うことで車両到着の時間を分散させ、持ち込む荷物の量も事前に通知できるようにした。こうすることでドライバーの呼び出しなどロスタイムが大幅に減少した。またデジタル化を進めることで改善点を見つけやすくなるのだという。ドライバー向けのアプリ「MOVO Driver」も開発しさらなるDX化を進めていくという。
物流業界でDX化が進まない理由に関して入山章栄さんは高齢化による「2030年問題」を大きな問題だとし、これまで人がやっていたことをロボットなどに任せることも必要になるとした。
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- 2030年問題
物流業界において人材不足を解決するのは大きな課題となっている。成田国際空港第8貨物ビルで多くの荷物を運んできた「国際空港上屋」。こちらでは最新式の無人搬送のフォークリフトを導入。Automated Guide Forklift、通称AGFはセンサーを駆使し貨物の場所や重さを検知し作業を行う。年間240万ケースのティッシュを生産するエルモアでは製造工程に加え倉庫作業も自動化。30年前からAGFを導入していた。かつてAGFは床の誘導線を感知しながら動くものだったが、これは誘導線の張替えに2周間ほどかかるデメリットがあった。そこでエルモアでは空間をAGF自身で判断するものを導入。これはレーザーを利用しデジタル地図を作成し、タブレットなどからの指示で動くのだという。
宅配における問題点を入山章栄さんは「ラストワンマイル問題」だと指摘。小口の配送の増加により消費者に直接商品を届けるドライバーが足りていないことだとした。この問題はいわゆる過疎地域でより深刻だという。これを解決するものとして定期宅配だとし、これらによって再配送の手間などが大きく緩和されるとした。
山梨県小菅村、こちらではドローンでの商品配送を導入しているという。これを推し進めているのがエアロネクストという企業。代表の田路さんはドローンを使用することで消費者の「今すぐにほしい」というニーズに応えることができると説明。エアロネクストでは簡易的なコンビニのようなベース基地を作り、そこから商品をピックアップし、注文の品を配送する。重さは5キロ、片道10キロメートルまで対応可能だという。どろーんは遠隔操作し、飛行ルートは事前調査済み。またエアロネクストは小菅村への荷物を一括で引受け代理で配送する共同配送も請け負っており、これもやがてはドローンで行うという。
物流業界でのDXに関して入山章栄さんは大きな変革が起きるとし、倉庫やトラックのシェアなどが出てくるだろうとし、今後今までチャンスだと思っていなかった場所にもチャンスが出てくるのではとした。
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2024年7月14日(16:45)