2024年3月25日放送 4:20 - 4:45 NHK総合

小さな旅
「ごちゃまぜの故郷で 〜広島市 基町アパート〜」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(小さな旅)
ごちゃまぜの故郷で~広島市 基町アパート~

広島市の中心地、半世紀に渡り変わらない場所がある。それが基町アパート。4200人ほどが生活しているという。朝夕、団地に住む人達はラジオ体操を続けているという。団地にあるショッピングセンターには飲食店や食料品店など70軒以上が軒を連ねる。その中にある1軒のカフェ、店主の山本さんは現代アートの作家でもあるという。この基町で育った山本さん、お店に来るお客さんは古い付き合いの人も多いという。山本さんのお店は一見さんも大歓迎、1人で来ているお客さんには山本さんから話しかける。この日はアイルランド出身の英会話教師の男性が迷い込んできた。彼はこの町に関して「興味深い」と話す。山本さんは「近所付き合いがあって、田舎のような距離感のところ、故郷」と基町を表現する。爆心地に近い基町はかつて壊滅的な被害を受け、戦後はしばらくバラックが建てられていた。そこで基町アパートが建設され、唱和53年に完成した。山本さんのお店はお母さんが営んでいたもので、アパートの完成後引っ越してきたという。互いに気に掛け合う基町アパートの住民、山本さんはこの日中国の食品のスーパー。店主の李さんは15年前に留学でこの地にやってきて、留学生同士で結婚。3年前にお店を開いたという。基町アパートは昔も今も人を包んでくれる。

キーワード
市営基町高層アパート広島市(広島)

日曜日、団地の一角に人だかりができている。ショッピングセンターの1軒でDJイベントが開催されていた。若い人に基町アパートの魅力を知ってもらうのが狙いだったが、集まってきたのは団地の人、店の前では餅つきの準備が進む。準備をするのはこの団地で育った在日3世の権さん。もち米を上手く蒸せない権さんにご近所の人たちがアドバイスしてくれる。何とかもち米を蒸し上げ、餅つきを開始。すると店内には多くの人が集まった。権さんは基町アパートに関して「離れようとしても離れられない、一番好きな場所」だと話してくれた。基町アパートの雰囲気に憧れて引っ越してきたという大学院生の原さん。どんどん変わっていく、団地のタイルに関心を持ったという。住民の集まりに参加し、お茶会にも呼ばれるようになった。そんな原さんは基町アパートの一角で空き店舗をリノベーションし、みんなが集まるスペースを作り始めた。原さんもまた、団地の中に1枚のタイルを残そうとしている。基町アパートに住むことで多くの人達と出会った原さん。「こういうごちゃ混ぜ感が街のあり方だと思う」と話してくれた。変わりゆく街、基町アパートも老朽化した建物の建て替えが始まる。それでもごちゃ混ぜの街の記憶と心意気は生き続ける。

キーワード
市営基町高層アパート
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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