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オープニング映像。
長野県の信州新町、3500人が暮らしている。冬の長い山里で3月中旬に由紀が降ることも珍しくない。羊の飼育が盛んに行われており、春先には赤ちゃん羊が多く誕生する。信州新町に住む関口近夫さんは、農作業が出来ない冬には炭焼きを行う。信州新町では昭和の半ばまで木炭が暖房や家事に使われてきた。現在炭焼きを行う人は少なくなったという。雪に覆われた畑に関口さんは炭の粉を撒く。こうすることで太陽の熱を早く吸収し、雪を早く溶かしてくれるのだという。ある日、炭焼小屋に若い男性が。浅野知延さんは関口さんの弟子で、7年前に家族で移住してきた。この日は炭の出来を左右する窯出しの日。浅野さんから見て、炭焼に間してすべてを熟知しているように見える関口さんでも、炭焼きは失敗の連続なのだと話す。出来上がった炭を見て、関口さんは浅野さんに「またやろうね」と語りかけた。
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- 信州新町(長野)
春を前に日本酒を仕込む酒蔵は追い込みの時期を迎える。酒造りは寒い時期でなくてはならず、時には窓を開けて作業をするのだと、杜氏の尾澤美由紀さんは語る。尾澤さんはもともとプログラマーで杜氏になるとは思いもよらなかったという。蔵には代々受け継がれた道具が眠る。尾澤さんの酒蔵は実は廃業する予定だったという。しかしもったいないと考え、自分が杜氏になると義理の父に申し出たが、男の仕事だという酒造りの仕事を経験のない尾澤さんには無理だろうと断られた。しかし尾澤さんは3年間、酒蔵が傷まないように窓の開け締めなどを行っていた。そんなある日、義理のご両親は「好きなようにやりなさい」と跡を次ぐことを許してくれたのだという。杜氏になって20年、最も気にかけるのは温度管理。一度は途絶えかけた酒蔵で、尾澤さんは今年も新酒を作る。現在信州新町には尾澤さんのところしか酒蔵はなく、地元の地酒を残せて良かったという。
梅が満開になる3月下旬、畑で育てるわさび「陸わさび」が育つ。わさび農家の栗林さんは「陸わさびは全部食べられる」と話す。栗林さんは18年前まで役場で働いていた。しかし退職直前に膠原病で生死の境をさまよったという。体調が落ち着いたは2年後、奥さんの教子さんの支えもあり、身体を動かそうと陸わさびの栽培を始めたのだという。炭焼の季節もまもなく終わる。関口さんと浅野さんは両家の家族とともに炭火でバーベキューを行った。関口さんは「無理なく、苦にならないように楽しみながらやりたい」と今後について語った。山には穏やかな春が訪れた。
エンディング映像。