2026年10月26日放送 23:30 - 23:40 NHK総合

時論公論
様変わりの予算編成 どう両立する成長と財政規律

出演者
神子田章博 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(時論公論)
/様変わりの予算編成 どう両立する成長と財政規律

来年度予算編成は高市総理大臣の経済成長を後押しする方針が色濃く反映されている。各省庁が来年度に行う政策や事業に必要な予算を要望する概算要求には「強く豊かな日本」投資枠が設けられ、各省庁の要求に上限は設けない措置が取られた。IMFは日本のドルに換算した名目GDPが来年、インドとイギリスに抜かれて世界6位になる見通しを明らかにした。この背景には円安のためにドル換算の数字が目減りすることもあるが、成長率が低いことも影響している。エコノミストなどからは「企業が稼いだ金を国内投資に回していないためだ」という指摘が出ている。そこで高市政権は思い切った予算措置を通じ今後14年間の累計で370兆円超の官民投資を実現しようとしている。支援の対象となるのは人工知能や半導体といった先端産業、防衛産業や造船など17の戦略分野の62の主要製品・技術などで、そのために必要な予算はその年限りで数年に渡って確保することで企業にとっての事業の予見可能性を高め投資を引き出しやすくする効果を狙っている。課題となるのは予算をつける際に対象となる事業・技術が将来にわたって収益を見込めるのかどうか採算性・将来性をしっかり見極めることだ。企業経営者からは「企業経営の経験のない行政が有望な事業を選別できるのか」という懐疑的な声も聞かれる。

キーワード
国際通貨基金高市早苗

もう一つ今年の予算編成が去年までと大きく様変わりしたのが、従来補正予算に盛り込んでいた事業を当初予算段階から盛り込んでいくというもの。年度途中の補正予算は景気対策などを理由に大規模なものが編成されることが当たり前となってきた。そもそも補正予算とは予算作成後の生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出を行う場合などに限り作成されると財政法で定められている。近年は毎年の事業に恒常的に必要となっている予算までもが当たり前のように補正予算に盛り込まれるようになった。必要な予算であれば当初予算段階から計上する方が事業の見通しを立てやすいという指摘もある。さらに、当初予算は夏の要求段階から約4か月かけて査定が行われるのに対し、補正予算の査定期間は短く本当に必要な予算かどうかを見極められるのか疑問だという指摘が出ていた。一方で来年度の予算要求額は補正予算分が加わったことで一般会計の総額で143兆円にのぼた。これは昨年度の補正予算と今年度の補正予算を足し合わせた額を2兆円余上回るもので、多くの施策の予算が要求段階で金額を示さない事項要求の形で上乗せされることになる。

来年度に向けては成長のための予算に加え食料品の消費税率引き下げや支援金の財源などをどう確保するかが課題となっている。政府の財政は政策に必要な財源を税収などで賄いきれず国債発行で賄う状況となっている。国債発行残高は今年度末に約1145兆円に達する見通し。国債を売買する債券市場では赤字国債の発行額が増えると財政悪化への懸念が強まり国債の価格が下がりやすくなるという見方が出ている。国債は価格が下がれば金利が上がるという関係にあり、金利が上昇すれば住宅ローンの金利が上がったり企業の資金調達コストが膨らんだりするなど経済に悪影響を与えることが懸念される。こうした中、高市政権は消費税減税と支援金の財源について赤字国債に頼らず税収の上振れや補助金・租税特別措置・基金見直しなどで確保していきたいとしている。税収については賃金上昇・企業業績・物価高を背景に当初段階の見通しを大幅に上回る年が続いている。経済に何らかのショックがあれば見通しどおりにならない可能性もある。一方、補助金・基金の見直しについては効果を検証できるか、目的が重複するものがないかなどの基準を設けて厳しく見直していくことにしている。また、基金は複数年にわたる歳出を単年度の予算で確保するものだが、一部使われず滞留している資金もあるという。政府は滞留している資金を国庫に返納する仕組みを整備していくとしている。

(エンディング)
エンディング

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