講談師・神田阿久鯉が、マンガの神様と謳われた手塚治虫の生涯を語る。

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手塚治虫原作の日本初の長編テレビアニメ「鉄腕アトム」の放送は昭和38年に始まり、最高視聴率40.7％を記録した。手塚治虫は昭和3年11月に生まれ、小学3年の時に漫画「ピンピン生ちゃん」を描いた。終戦の翌年に手塚は漫画家としてデビューし、新聞で4コママンガ「マアちゃんの日記帳」を連載、200ページに及ぶ長編漫画「新寶島」を発表した。手塚治虫は人気連載を何本も掛け持ちし、昭和36年には長者番付の画家 ・漫画家部門でトップとなった。

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手塚治虫は昭和37年に虫プロダクションを設立し、日本初の長編テレビアニメ「鉄腕アトム」を製作した。人員が不足していたことから静止画を多様したり、背景だけを動かしたり、作画を他の場面でも使い回すなどの工夫で作業量を減らした。

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手塚治虫は昭和44年に、日本初となる大人向けアニメ「千夜一夜物語」、翌年に「クレオパトラ」を製作したが、虫プロダクションの経営は傾き倒産を余儀なくされた。漫画界で劇画が流行。手塚治虫は「やけっぱちのマリア」や「アラバスター」などを発表したが、 読者にはうけず陰湿だと言われた。週刊少年チャンピオンの壁村耐三編集長の依頼を受け、手塚治虫は医療漫画「ブラック・ジャック」を連載し、50年以上売れるベストセラーとなった。

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手塚治虫は1日の睡眠時間1～2時間ほどで漫画連載を続け、胃潰瘍の手術を受けたときに、胃がんが発覚した。手塚は入院中もベッドの上でマンガを描き続けたが、平成元年2月9日に亡くなった。手塚の最期の言葉は「頼むから仕事をさせてくれ」だった。生前のインタビューで手塚は「アイデアだけはバーゲンセールしてもいいくらいあるんだ」と語っていて、60歳で亡くなるまでに描いたマンガは15万ページにのぼる。

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