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オープニング映像。
ロードローラは敷き詰めたアスファルトの上をゆっくり進んでローラーで圧力をかけながら舗装面を踏み固める。今回のガリバーはロードローラの国内シェアトップの企業・酒井重工業。
酒井重工業は年商330億円、従業員数は618人。創業106年の老舗企業。トップシェアを占めるロードローラは小型の機種から大型の機種まで工事現場のニーズに合わせて様々なロードローラを製造している。ロードローラの用途は大きく2つある。1つは土壌を踏み固めて平らにならすこと。2つ目が道路工事などでアスファルトやコンクリートを敷いた後、踏み固めて舗装を仕上げること。ローラーの中には重心をずらした重りと、重りを回転させるモーターが入っている。モーターを動かすと重りが重心をずらして回転して振動が発生する。振動によって重さの約数倍の圧力がかかる。ローラーを振動させることでより強固に踏み固められる。これを締め固めと呼んでいる。この締め固めこそが酒井重工業の肝だ。
酒井重工業の生産センターを訪ねた。ローラの材料となるのは厚さ約3cmの鉄板。鉄板をロールベンダーで曲げて筒状にする。真円に近づけるために少しずつくっつけるようにしている。つなぎ目を溶接して、細かな凹凸を取るために表面を削り、下塗り塗料を塗り振動を起こす装置を入れてローラが完成。その後の組み立て工程も手作業で行う。現在、酒井重工業で生産しているローラ機械は78種類。施工する場所などに応じて様々な機種を生産している。
酒井重工業の創業は1918年。当時は自動車や機関車の部品の製造・修理を行っていた。1929年、道路整備など土木事業が拡大する中でロードローラの製造に参入して、やがてガソリンエンジンを搭載した国産第1号のロードローラを開発した。1935年にはタイへの輸出を開始。酒井重工業の製品は海外でも高く評価された。現在はアメリカ・中国・インドネシアに生産拠点を構え、100以上の国・地域に製品を輸出している。ロードローラと並んで道路建設に欠かせないというスタビライザはデコボコの路面を粉砕して平らな路盤につくりかえる。アフリカの人たちに使い方を教えることで現地の人たちが道路を作れるようにしている。海外向けのトレーニング資料も作っている。近年では安全・環境・効率のポイントで進化している。安全のため自動緊急ブレーキを搭載した。
酒井重工業の2つ目の進化のポイントは環境。EV化したロードローラも締め固めのパワーほとんど変わらないという。さらに、車両から出る音が非常に静かになるので静かに施工できる。3つ目の進化のポイントは効率。無人で動く自律走行式ローラは2つのGNSSアンテナで複数の衛星から高精度の位置情報を取得、あらかじめ設定したコースに沿って自動で走行する。熟練オペレーターの運転技術に近づけるよう動きを調整している。
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「道路周りの技術をいっぱい持っているので、この技術を使って社会に何とか貢献しよう」と酒井社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。