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今回の旅人は梨木まい。羽越本線の鶴岡駅から車で20分ほどの場所にある湯田川温泉を訪れた。開湯1300年と長い歴史を持つ。まずは温泉街の奥にある由豆佐売神社へ。地域の象徴的存在。神社から参道を挟んで正面にあるのが「正面の湯」。昔から地元で大切にされてきた共同浴場。タイル張りの浴室で親しみやすい雰囲気。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。温度は43度と少し熱めだが、爽やかな心地よさを感じるお風呂。正面の湯から50mほど歩いたところに本日の宿「湯どの庵」がある。古き良き趣を残しながら清潔感溢れる館内。中庭では季節の移ろいを楽しめる。全14室、すべてベッドタイプ。2種類の大浴場がある。1つは温かい雰囲気の木造りの内湯。湯船はヒノキでできている。お湯は42度ほど。じっくりと体を温められる。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。夕食は和室をダイニングにした部屋でいただく。「豆乳鍋」や「山形牛香草焼き」など、山形県内の旬の食材を生かした料理で構成されている。もう1つの大浴場は石造り。湯船の片隅にある寝湯は、体に沿うような優しい曲線でかたどられている。内湯から続く廊下の先には露天風呂もある。
山形県朝日町に地元で人気の温泉「りんご温泉」がある。平成元年にオープンした日帰り入浴施設。露天風呂からはのどかな町の景色を一望できる。石造りの湯船に茶色がかったにごり湯が張られている。泉質はナトリウム-塩化物温泉。石油のような独特の香りがする珍しいお湯。朝日町はりんごの生産が盛んであることに因んで、りんごが浮かべられている。
米沢の白布温泉に、茅葺き屋根の「湯滝の宿 西屋」はある。シラブ(白布)はアイヌ語で「霧氷ができる場所」を意味する。開湯は1312年、西屋はその頃からある。吹き抜けのある木造りの大浴場には、絶え間なくお湯が溢れ続ける黒い湯船がある。毎分1500リットルのお湯が高いところから掛け流され、打たせ湯にもなっている。黒ずんだ湯船は江戸中期に作られたもので、御影石でできている。泉質はカルシウム-硫酸塩温泉。源泉は60度と高温だが、湯船では42度ほどのちょうどいい温度に保たれている。宿から200mほど登った山の中で女将が温度管理をしている。
「湯滝の宿 西屋」の食事処での夕食。「冷や汁」や「米沢牛のすき焼き」など、地元の食材を生かした品々で構成されている。貸し切りの家族風呂にもなみなみと源泉が注がれている。少し熱く感じたら湯もみ板で温度調節できる。