米沢の白布温泉に、茅葺き屋根の「湯滝の宿 西屋」はある。シラブ(白布)はアイヌ語で「霧氷ができる場所」を意味する。開湯は1312年、西屋はその頃からある。吹き抜けのある木造りの大浴場には、絶え間なくお湯が溢れ続ける黒い湯船がある。毎分1500リットルのお湯が高いところから掛け流され、打たせ湯にもなっている。黒ずんだ湯船は江戸中期に作られたもので、御影石でできている。泉質はカルシウム-硫酸塩温泉。源泉は60度と高温だが、湯船では42度ほどのちょうどいい温度に保たれている。宿から200mほど登った山の中で女将が温度管理をしている。