2023年7月8日放送 11:15 - 11:42 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
首都圏情報ネタドリ!“ひとりで死を迎える準備”今が豊かになる人生のしまい方

出演者
合原明子 小谷みどり 
(首都圏情報 ネタドリ!)
“ひとりで死を迎える準備” 今が豊かになる人生のしまい方

今日のテーマは終活。中でも今求められているのがひとりで死を迎えるための終活。今年、国が初めて公表した実態調査からその深刻な状況が見えてきた。神奈川・横須賀の佐藤葬儀社の一画で遺体を保管している部屋。今回、特別に撮影が許された。ここには家族や親戚が引き取ることを拒否した遺体が安置されている。引き取り手のない死亡人が約4年で10万件を超えていることが、国の調査で初めてわかった。火葬された引き取り手のない遺骨が運ばれた先は横須賀市役所。家族や親戚に連絡しても引き取り手が現れないケースが相次ぎ、その数が約6万に上ることも明らかになった。横須賀市 終活支援センターの北見万幸さんは、死後の問題まで生前にどうしたいのか聞いておけば別の解決方法がありますから、生前の解決がどうしても重要だと語る。そうした中で今求められているのがひとりで死を迎えるための終活。自治体も支援に乗り出した。葬儀や遺骨をどうするかなど生前か考えてもらおうという取り組み。1人で死を迎える準備を進めたことで人生がより豊かになったという人も。

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佐藤葬儀社横須賀市役所横須賀(神奈川)終活終活支援センター
“ひとりで死を迎える準備” 終活支援に乗り出した自治体

一人暮らしの高齢者の割合が日本一高い東京・豊島区。区は去年から、終活を支援する新たな取組を始めた。この日開いた講座には定員いっぱいの40人が参加。エンディングノートの書き方を学ぶ。終活の支援を始めた豊島区社会福祉協議会の豊島区終活あんしんセンター。区民がかいたエンディングノートなどの情報を登録してもらい、もしものときに備えようとしている。この日登録の相談に訪れた菅原智恵美さん(62)は、突然逝く人もいるので周りに、早めに早めにやっといたほうがいいかなと思って、と話す。息子は独立し、今は一人暮らしをしている。4年前、30年連れ添った夫を亡くした。生前、亡くなった後のことについてほとんど話したことはなく、どんな葬儀にすればいいかなどわからず苦労したという。誰にも迷惑をかけず、一人で死を迎える準備をすすめるため、区の登録制度を利用することにした。遺骨は故郷、沖縄の海にまいてほしいと希望した。さらに豊島区は外出が難しい高齢者の自宅を訪問し、登録者を増やす取り組みを始めた。一人暮らしなど孤立しがちな高齢者を定期的に訪ね、見守り支援に繋げる活動。区の担当者はもしもの時に備え、女性の意思を親族などに伝えられるよう、区に情報登録することを勧めた。

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エンディングノート終活豊島区社会福祉協議会豊島区終活あんしんセンター豊島区(東京)
“ひとりで死を迎える準備” なぜ必要?どう進める?

シニア生活文化研究所の小谷みどりは、所謂シングルの方だけじゃなくて、家族や親戚と疎遠な方だけではなくて、この20年間長生きをされる方がすごく増えているといい、例えば20年前、男性の3分の2は80までに亡くなっていたといい、長生きをするということはお子さんも高齢になっていて要介護になっているケースもあるといい、家族が支えるのが当たり前というのが崩れた社会になっていると説明した。小谷みどりはエンディングノートを使えば、自分が何に不安なのか見える化しやすい、ぜひエンディングノートを書いてみることを勧めたいなどと語った。

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“ひとりで死を迎える準備” 今が豊かになる人生のしまい方

田中嶋忠雄さん(83)は、妻とは11年前に死別し、がんとの長い闘病の末だったこともあり、死に際の意向を十分に聞くことは出来なかった。自分の死後のことは責任を持って自ら決めたいと考えてきた。葬儀会社を探し、葬儀のプランを決め、費用も全て支払った。丹精込めて育てた庭の花など、思い出の詰まった写真集を準備。棺に入れる愛読書は若い頃から繰り返し読んできた選りすぐりの2冊。葬儀で読んでもらうお別れのことばまで自分で用意した。すべてのことを自分で決めきった。一昨年、前立腺にがんが見つかった田中嶋さんは衰えを感じる中にあっても、趣味の日本画を描いたり、庭の手入れをしたりして充実した毎日を過ごしていて「痛いのや苦しいのは嫌だけどよ 自分の人生に対してはもうないよ 不満は」と語る。

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終活

1人で死を迎える準備をしたことで、家族全員の日常が豊かになったという渡辺和夫さん(66)。機械メーカーの技術職を勤め上げ、工作などの趣味を楽しみながら暮らしている。渡辺さんが準備を始めたのは5年前、妻を亡くしたのがきっかけだった。脳の病気による突然死。まだ59歳だった。一人で暮らす渡辺さんはもしものときに離れて暮らす娘に心配をかけたくないと考えるようになった。渡辺さんが手作りした装置は、人の動きを感知し記録し、2日間動きがないと自動的に娘に通知が行く仕組みになっている。一人で暮らす渡辺さんの身を案じてきた娘の明日美さんは「母を突然亡くしている経験もあり父がもしものときの備えをしていることは何より大事な家族と向き合う良い機会になったと感じています」としている。離れて暮らす父と娘、備えることがそれぞれの毎日を安心して過ごすことに繋がっている。

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終活

さらに、死の準備を進める中で、家族や友人への感謝が深まったという人もいる。堂山智子さん(65)は、夫婦2人で暮らしている。部屋にはこれまで集めた終活の資料や10冊を超えるエンディングノートがあった。準備を始めたのは40代のとき。両親を相次いで亡くしたことがきっかけだった。堂山さんが特に大切にしてきたのが、自分の死後に渡す手紙。これまでに書いた手紙は30通以上。その中で大切な気付きがあったという。感謝すべき人たちに囲まれ生きてきた自分の人生。堂山さんは「残りの人生みたいなことを考えた時に”じゃあこれやってみようかな”って思うことによって新たな出会いがある、それがまた新たな繋がりになって、そんなことはできたのかなって気がしています」と話していた。

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今が豊かになる人生のしまい方 どう進める? / 今が豊かになる人生のしまい方 つながりを大切に生きる

1人で死を迎える準備をすることで今の人生が豊かになる関係性について聞かれた小谷みどりは、人生は日々の積み重ねというイメージがあると思うが、VTRの方は身近な方の死をきっかけに自分も人生がいつか終わるんだということを意識されたと思う、死から逆算して、残りの人生をどう生きるのか、発想を転換してみると、自分がやるべきことなどが見えてくると思う、と話していた。小谷は、地域のゴミ拾いを毎朝やっているといい、地域のサークルに新しく入るとなると仲間同士のつながりができてるのでなかなか入りづらいが、ゴミ拾いは皆さん一人ひとりでバラバラにやっているので、入りやすいが顔見知りの方も増える、立ち話ができる人間関係を築いておくのはとても大事だと思うと話していた。

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今が豊かになる人生のしまい方 つながりを大切に生きる

行政の支援を受けながら終活を進めている菅原智恵美さん。同じように終活を進める友人ができた。同じマンションに住む和美さん。ともに夫を亡くし一人暮らし。毎日のように顔を合わせる中、互いに頼り合う存在になった。

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終活

私達が今回の番組の取材を始めるきっかけになったのが、夫を20年前に亡くし一人で暮らしてきた田中幸子さん。生きてるかぎり、誰にも迷惑をかけたくないと私達に語った。楽しみは毎朝会う人達との時間。他愛のない話をしたり、お決まりの挨拶を交わしたり。些細なことでも前向きになれることを通して誰かと繋がる。そんなつながりが今、いつか訪れるそのときを豊かにしてくれるのではないでしょうか。

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