2024年9月25日放送 2:55 - 3:55 フジテレビ

FNSドキュメンタリー大賞
<>産声をあげた働き方改革 〜医療現場のジレンマ〜

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(オープニング)
オープニング

十日町市にある「たかき医院」。高木院長と娘・仲医師の常勤医2人体制で24時間365日、お産に対応している。タカキ医院では小児科・内科・病児病後保育も担い、赤ちゃんから高齢者まで地域の人々が訪れている。地域に信頼される一方、厳しい現実にも直面していた。拝啓には医療全体に関わる大きな変化があった。十日町・津南地域の中核病院である新潟県立十日町病院は分娩を休止したため、タカキ医院は地域唯一の産院となった。2024年4月から始まった医師の働き方改革。お産の現場に葛藤をもたらしている。

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たかき医院十日町市(新潟)新潟県立十日町病院菊池雅明
(FNSドキュメンタリー大賞)
産声をあげた働き方改革 〜医療現場のジレンマ〜

長岡市の立川総合病院。年間900件のお産に常勤医6人で対応している。外来の仕事と並行して立て込む手術の日程。そこでは帝王切開による出産の準備が行われていた。帝王切開は医師2人で執刀する必要があり、外来を終えた医師がサポートに入る。立川総合病院が扱う年間900件のお産のうち帝王切開は約200件。出産年齢が上がっているため帝王切開の件数も30年間で2倍に。どの妊婦も突如、容態が変わる恐れがある。母子の2つの命を同時に守らなくてはならないため難しい判断を迫られる場面も少なくない。生まれてくるまで何が起こるか分からないからこそ安全な出産のため産婦人科医は大きな責任をもつ。その現場に今、突きつけられているのが医師の働き方改革という難題。日本医師会が2019年に行った調査では全国の病院常勤医の約4割で時間外労働が過労死ラインとする960時間を超えている実態が明らかになった。長時間労働の末、過去には新潟県内でも新潟市民病院に勤務する研修医が自殺するなど働き方が問題市されてきた。特に産婦人科や外科などで長時間労働の傾向が強く、2021年の調査では県内の分娩に対応する病院の産婦人科医の約3割で時間外労働が1860時間以上にのぼっていた。こうした中、国は規制の対象外だった医師の時間外労働も上限を設定し、2024年4月から年間の時間外労働は原則年間960時間に規制することとした。今で医師の献身によって支えられてきた医療体制は大きな変更を余儀なくされることに。十日町・津南地域の中核的な役割を果たしてきた新潟県立十日町病院の産婦人科はこれまで常勤医1人体制でお産に対応してきたが、働き方改革により体制を維持することが難しくなり分娩を休止することが決まった。これにより隣接する津南町を含む十日町・津南地域で出産できる施設はたかき医院のみに。合併症などリスクのある妊婦は魚沼基幹病院まで通う必要が生じる。

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たかき医院厚生労働省新潟大学新潟市民病院新潟県立十日町病院日本医師会立川総合病院菊池雅明長岡市(新潟)魚沼基幹病院魚沼市(新潟)

母・娘の2人の常勤医で地域のお産を支えてきたたかき医院。転院する妊婦も出てきた。たかき医院も存続が危ぶまれている厳しい現実に直面している。医院の経営は赤字が続いていたのだ。

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たかき医院

たかき医院が財務コンサルタントと定期的に行っている経営についての打ち合わせ。地域全体の出生数は5年前の3分の2まで減少し、赤字経営となっているのが実態。さらに高木院長は8月で80歳に。これまで親子2人で医院経営にあたってきたことで抑えられていた人件費も新たな常勤医を野党とお金がかさむ。。今後、スタッフ確保には行政の支援が欠かせない。地域のお産をどう守るのか、県内の産婦人科で検討は進められている。立川総合病院では1人つき週1~2日にオンコールがまわってくる。事務作業をしなが緊急時に備えている。待機時間はそのまま時間外労働にはならず、働き方改革の上辺に達していないが安全な医療提供には仕組み自体を見直す必要性が指摘される。一方で若手医師には長く病院にいて多くの症例に触れることが自己研鑽につながるという思いも。

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たかき医院立川総合病院西区(新潟)

「自分を大事にしてほしい」という思いを向けられるのは医師・患者だけではない。 タカ議員がこれまで大切にしてきた地域での活動。唯一の産院となり負担が増えたとしても継続していきたい取り組み。地域のお産を支え出張授業までこなす仲医師だが休むことの大切さを理解しているからこそ今は家族と過ごす時間を大切にしている。「休むことも仕事」という考えが医師・患者にも広がることが働き方改革にかかせない。

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十日町市立水沢中学校十日町市(新潟)

2024年4月を迎えた。医師の働き方改革がスタート。病院ではタイムカードのシステムが導入された。立川総合病院・産婦人科では日中に手術の予定がない日に限りオンコール担当医意外で外来を分担することになった。ただ外来に訪れる患者が減ったわけではないので休みを確保するには主治医制、チーム制への移行も不可欠だと考えている。そのためには若手の成長も重要。限られた人数・労働時間で医療体制を維持するには医師を分散させるのではなく集約化の議論も避けて通ることはできない。それでも故郷で産みたいと願う妊婦の思いもある。この春、高木医師から仲医師へ院長が引き継がれたたかき医院。津南町からも支援を受け新たな医師を迎えた。24時間365日いつ舞い込むか分からない出産。働き方改革が突きつけたのは出産を支える医療の厳しい現実。

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たかき医院十日町市(新潟)立川総合病院

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