2023年9月16日放送 1:00 - 1:50 NHK総合

BSドキュメンタリー
「お母さんに会いたい〜フィリピン・ムスリムの兄と妹」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(BSドキュメンタリー)
お母さんに会いたい〜フィリピン・ムスリムの兄と妹

家族のため働く兄妹がいる。お母さんは1300km離れた場所にいる。ノラルディン・マカリンパオくんはムスリンのイスラム教徒。故郷では宗教紛争が絶えず妹と一緒に逃れている。故郷の家族に仕送りするため2人は懸命に生きている。願いはお母さんに会うこと。ノラルディンは買い物袋を売っている。荷物を多く抱えている客を見つけてビニール袋を売っていく。1枚10ペソ=約20円。市場では70人以上が袋を売っている。ほとんどが学校に行かず、故郷を逃れたムスリンの子どもたち。ミンダナオ島ではイスラム教徒とキリスト教入植者との対立が続いてきた。以来、フィリピン国軍との武装闘争が繰り返されてきた。紛争に大勢の住人が巻き込まれた。ノラルディンが生まれ育った街も戦場となり、一家はバギオに逃れた。しかし両親は職が見つからず2年前にミンダナオ島に戻った。集落のおばの家で暮らしている。毎日、水を汲むのがノラルディンの仕事で10mを登る。ノラルディンは5人兄弟の長男で妹・マリマルは8歳で父親が違う。働くことができるノラルディンとマリマルをバギオに残した。2人のおばは市場で雑貨を売っている。家事をこなし毎月200ペソの食費を払うことが住む条件となっている。食費以外、稼いだお金のほとんどは貯金箱に入れている。両親に送るためだ。時間ができると母親に手紙を書いている。2年前に別れて以来、2人はミンダナオ島に戻っていない。毎週金曜日、ノラルディンはモスクでお祈りをする。かつてスペインの植民地だったフィリピンでは国民の9割がキリスト教徒だが、ミンダナオ島ではイスラム教徒。

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妹・マリマルは一番に起きてお弁当を作る。2ヶ月前に小学校に入学した。授業料は年間500ペソでノラルディンがお金を貯めた。ノラルディンは毎朝、学校へ送っていく。バギオに来た頃、ノラルディンも通っていたが仕事が忙しく2年前に辞めた。このクラスでムスリンの生徒はマリマルだけ。学校には1年遅れで入学し馴染めていない。バギオと故郷では言葉も異なる。放課後、担任の先生はマリマルに補習を行う。貯金箱がいっぱいになり1000ペソを貯め両親に送っている。紛争が続くミンダナオ島で両親はノラルディンの送金をあてにしている。バギオのコミュニティセンターに子どもたちが集まりパーティーが始まる。50人以上が集まった。マリマルとノラルディンもいて、子どもたちは今日が初顔合わせ。バギオはムスリムが多い地域だがクリスチャンとの交流がなかった。ノラルディンはこの日、何も発言しなかった。ミンダナオ島の母親から手紙が届いた。母親は死産し手術を受けていた。入院費用は6万ペソ=12万円でお金を貸してもらっているが少しも返済できていない。一度、ミンダナオ島に帰ってきてほしいと書いてあった。

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ノラルディンはバギオでCDを売っている母親の兄を訪ねた。ミンダナオ島に帰るには船代が必要。休日、2人は市場に通うになり、船代を自分たちで稼ぐことにした。マリマルは人見知りで声をかけるのは得意ではない。ノラルディンは買い物客の荷物を運ぶ仕事を始めた。1回につき20ペソで袋1枚の倍の値段。往復の船代は2人で2500ペソで稼ぐのに2ヶ月以上かかり、さらに両親にいつも以上の送金をしなければならない。毎日、休まず市場に通っていたノラルディンが出かけようとしない。翌日、市場に戻った。クリスチャンから50ペソを要求され殴られたという。だがお金を渡さなかった。コミュニティセンターで交流会が開かれた。そこにはノラルディンもいた。今度はムスリムとクリスチャンが2人ずつ4人が1組になりお互いについて話した。

母親の手紙が届いてから1ヶ月が経った。ノラルディンは港へ訪れミンダナオ島へ向かった。わずかなお金で買った母親へのお土産を持ち向かった。2人はムスリンの服装に着替えていた。故郷・ミンダナオ島へ到着。人口・1800万人のミンダナオ島では500万人のムスリムが暮らしている。生まれ育った南ラナオ州はフィリピンで最も貧しい地域の1つ。故郷の海を訪れた。ノラルディンはみんなで泳ぐのを楽しみにしていた。2年間、2人で暮らしてきたノラルディンとマリマル。翌日から農作業を手伝い始めた。収入は年間4000ペソ=約8000円でノラルディンが袋売りで稼ぐ3分の1。10人の家族を養わなければならない。父は肺病を患い、生活はノラルディンの送金に頼るようになった。

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この集落に開いている穴は銃弾や爆撃の跡。2001年のアメリカの同時多発テロ以降、政府は国際テロ組織との関係が疑われるとしてイスラエル急進派の掃討作戦に出て、一時停戦していた武装ゲリラとの戦闘が再び始まった。避難民は30万人を超える。この集落にも武装勢力の拠点があった。両親の生活は年々苦しくなる。ノラルディンの家に女性が訪ねてきた。母親の入院代を貸してくれた人で毎月1000ペソずつでも返してほしいというもので、それでも返せていなかった。傷口が化膿しているが病院に行くお金はない。家族が集まり話し合いをした。ノラルディンとマリマルがバギオに帰ることとなった。ノラルディン自身が決めた。数日後、ノラルディンはバギオの市場にいた。たくさんの思いをしまい働き続けている。

(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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