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2024年12月、Bunkamuraオーチャードホールの公演後熊川哲也は岩井優花さんをプリンシパルに昇格させた。Kバレエカンパニーカンパニーを率いて25年、熊川哲也は数々の作品を送り出したがその中で印象的なのは古典バレエの中にあった海賊だった。
Kバレエの演目「海賊」の舞台はギリシャ・イオニア海。主人公・コンラッドは商船を襲っては金品を得ていた。古典バレエでバレエ史に埋もれ、全幕で上演されたことの少ない作品だった「海賊」。Kバレエカンパニーの蔵健太氏は海賊に関して「踊りのバリエ―ションのためにテクニシャンが必要」などの難しい点をあげた。ただ熊川哲也演出の本作はわかりやすい解釈が加えられているのだという。話は主人公・コンラッドが浜辺に打ち上げられ、やがて少女に恋をする。ただ少女達は連れ去られるが、海賊たちは逆襲する。
20224年12月目黒区のスタジオではKバレエカンパニーの海賊たちが撮影に臨んだ。バレエは女性ダンサーが目立つものが多いが海賊は男性が活躍する冒険活劇である。奴隷市場では少女達が競売医にかけられるが、海賊たちは打感に成功する。熊川哲也はアリという役に侍のような忠誠心を持たせ、物語の中心人物に押し上げた。そんな中、アドリブで作り上げられた演出も本番で使用される。主人公コンラッドを演じる堀内將平は体を動かすのは嫌いだと語る。10歳でバレエ教室に通い14歳で海外に留学した。そんな彼には朝のルーティンがある。それは氷風呂と瞑想。自らを律するためのものだという。また現在は肉も食べないという。今やバレエの枠を超えたトップダンサーとなった堀内。MISIAのMVに出演し、振り付けも行った。時に15時間スタジオに籠るという堀内、Kバレエカンパニーに入ったときは「間違った」と感じたと話す。
Kバレエカンパニーへの入団を当初は失敗だと考えた堀内將平さん。ただ死霊の恋で気持ちが変わり、5年前に海賊で主役に抜擢される。この頃からKバレエカンパニーに所属しなかったら相手の要求に応えられなかったと語り、今では最良の選択だと語る。