- 出演者
- 佐々木明子 田中道昭
香川県のスタートアップが開発した妊婦向け装置「iCTG」。タイで2014年から行った約1500回の臨床試験では、約50人を命の危険から救った。日本国内では約150か所で導入されている。妊婦のお腹に取り付けデータを計測し胎児の異変を察知するもので、緊急搬送を受け入れる病院と妊婦のデータを搬送前から共有できる。装置を開発した企業は、香川県の離島ではほとんどの妊婦が診察・出産の際に四国や本州へ渡る必要があることから装置を開発。
オープニング映像。
田中氏は「日本は海外のスタートアップと違い、日本という大きな市場があるから日本を目指すところが多い。日本は新興企業がビジネス展開するには最初のハードルが高いかもしれない」「企業が生まれたときから世界を目指すのが理想的な展開」など話した。この番組は日本経済新聞社とTXN系列5局が共同で地域の新ビジネスや知られざる技術を取材。過去回は日経電子版と各系列局のYouTubeチャンネルで。
人口14億人超のインドでは、年間17万人が交通事故で死亡している。そんなインドで、日本の名古屋電機工業が交通規制の実証実験を行った。名古屋電機工業は日本で初めて一般電話回線で遠隔操作できる道路情報板を開発した。道路電光情報板で国内トップクラスのシェアを誇る。可搬式信号機を工事現場に設置し交通整理を行うも信号機だけでは車が止まらず、誘導員を配置することで車がきちんと停止した。名古屋電機工業社長は、ポテンシャルはある市場だと話した。
電光掲示板は日本にとっては当たり前の文化だが、ルールはあるかもしれないが、ルールをなかなか守ってくれない、ルールを守るようになってからインドに参入しようと思っても難しい。正しいタイミングは何なのか非常に教訓になる事例だと話した。日本の製品のままでは通用しないため、インドのいろいろな文化や習慣などを調べてカスタマイズする必要があると話した。そして名古屋電機工業についてはICTテクノロジーのエコシステムがそろっているのが愛知であり、愛知県の交通事故死者数は2003年以降16年連続で全国ワーストとなっている。この課題からいかに事業で解決してきたかというのがわかると話した。
北海道大学では農業や建築など現場で役立つ研究が行われている。そんな北大から生まれたAIの技術が世界から注目されている。映像解析システムがインドネシア、UAEの大型商業施設に導入実績がある。札幌市にあるアウルという会社はエッジAIを開発。通常のクラウドAIは映像データを送信してデータセンターのAIで解析すると、通信費などで高コストになるが、エッジAIは映像データを端末に組み込まれたAIが映像をその場で解析。通信費などがかからないため通信費がかなり安くなる。このエッジAIを活用しているのがサツドラ北8条店。カメラは店内に140台あり、AIによる店内映像分析を顧客ニーズにあった売り場づくりに活用している。アウルのAI映像解析システムは導入費用は25万円からで月額利用料はカメラ1台あたり6000円からとなる。映像をクラウド上で解析する場合に比べ、コストが約100分の1になるという。この映像解析システムはベトナム、インド、タイなどで実証実験を行っている。
森林火災が世界で深刻化していて、世界の森林焼失面積は20年前の2.5倍に増加。そんな火災に挑む企業が、北九州市にある「シャボン玉石けん」。北九州市で行われる平尾台の野焼きでは石けん系の消火剤が使われていて、一般の住宅火災で使った場合の水の使用量は17分の1とのデータも。石けんの泡は酸素を遮断し燃焼を抑える効果がある。シャボン玉石けんは2001年から消火剤開発に着手し、2007年に実用化。
シャボン玉石けんについて、田中教授は山火事で撒かなければ行けないので環境に優しいものが求められると話した。シャボン玉が空気を遮断したり、せっけんが消火を効率よく行うため、海外ではもともと水がない、決定的に不足しているところがあるため、水をあまり使わずに消火活動ができるところも大きなメリットだと話す。事業はニッチであることが重要で、誰でもいいからとにかく使ってほしい商品は誰にも刺さらないという。一番ニーズがあるところに深く食い込んで攻めることでビジネスが広がっていくと話す。もう一つアウルについて、エッジAIの使い勝手がいい、効果の高いものがどこか、大きく3つあると話す。これは瞬時に判断が求められる分野の自動運転や工場などがあがる。さらに通信が困難な場所、海洋上や宇宙なども有効。さらにデータを開示しないビジネスがある。今回店舗にエッジAIを搭載することによって、店舗という現場が学習し続ける場所に生まれ変わっていると話した。
製本をするメーカー、ホリゾンには外国人の姿が、オーストラリアの印刷会社の経営者が訪れていた。実はホリゾンは売上の約7割が海外。約120の国や地域があり、主に欧米が中心となっている。ホリゾンはハードカバー本以外の製本機を製造しており、一部製品は世界シェア40パーセントとなっている。実はアメリカで出版された本のタイトル数をみてみると、従来型出版は64万であるものの、自主出版は352万と伸びている。量は少ないものの、種類が多くなっている傾向がある。これまでの製本はサイズ、厚みの応じ、熟練者が機械を調整し、つくる本を切り替えるたびに時間やコストがかかる。ホリゾンの製本機はA4からA5への設定切り替えは十数秒で行うことができる。これにより機械が自動で大きさや厚みを調整し、1冊から製本が可能となる。熟練者の感覚を数値化し、誰でも設定変更可能となる。
今や出版が少なくなっていると言われている中、ホリゾンは逆の発想だと話した。自主出版が増えているのでむしろニーズが高まっている。特にこの会社がすごいところは熟練の職人の暗黙知や感覚を形式知化して機械を作ったことにあると話した。
- キーワード
- ホリゾン
LBSはTVerで無料配信。
- キーワード
- TVer
田中さんが提言する、世界を目指すなら地元を見よ!地方の日常こそ世界に非日常であり、ニュースバリューがものすごく高いと話す。ビジネスにも地域にはいろいろな課題があり、実はその課題は他の国の大きな社会課題だったりすると話す。地域の課題をしっかり解決することが世界のビジネスとして展開する秘訣だという。
次回は6月27日午前10時30分から。
- 過去の放送
-
2026年4月25日(10:30)
