大地を激しく削り取る史上最大級の重機「バケットホイールエクスカベーター」。毎秒約2トンもの勢いで火力発電に使う化石燃料・褐炭を掘り続ける。もっと豊かに暮らしたいと望み続ける人間。しかし、それが地球に想像以上の影響を与えていることが地質調査から分かってきた。水深70メートル付近の海底から長さ1メートルほどの堆積物を抜き取った。分析の結果、ある年代以降の地層からミクロンサイズの小さな穴が空いた物質が確認された。この物質は球場炭化粒子と呼ばれ、石油・石炭が産業活動の中で高温で燃焼した時に排出される微粒子とされている。この微粒子が1950年代前後の地層から急激に増加していた。同様の現象が世界各地で行われた地質調査でも確認されている。また、バルト海の海底から取り出された堆積物も1950年代を境に土壌が白から黒へと変色していた。原因は化学肥料。食料生産量が増えた一方で、化学肥料は畑から川へ、川から海へと大量に流れ出した。その結果、発生したのが藻類や植物プランクトンの異常繁殖。藻類などの異常繁殖は水質の悪化や酸素濃度の低下を引き起こし、生態系を破壊している。大量の藻類などが死んで海底に降り積もり、生み出されたのが黒い堆積物。1950年代以降の地層からはプラスチックや重金属などが検出されている。人間活動の痕跡が地層に刻まれるこの時代を「人新世」と名付けようという議論が進められている。

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バケットホイールエクスカベーターポーランド中国大分県

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