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オープニング映像。
今月から始まった運送業界の働き方改革。労働時間の規制が強化された。懸念されているのが輸送能力の不足「2024年問題」。影響は身近な暮らしにも。1000品目以上が値上げされた。これまで通りに荷物が届かない地域も出始めている。何も対策をしない場合、輸送能力は14%不足する試算もある。一方で2024年問題を打ち破る新たな動きも生まれている。
4月から始まったドライバーの労働時間規制。過労死の認定が全ての職種の中でも最も多いのがドライバー。改善するため制限がなかった時間外労働は年間960時間、1日の拘束時間は15時間に短縮された。荷役作業や待ち時間はドライバーの拘束時間全体の4分の1を占める。長距離ドライバーは走った分だけ稼げるのが魅力。しかし上限規制で拘束時間が短くなると月10万円ほど給料が減る可能性がある。荷主から直接業務を依頼される元請けは運びきれない分を下請けに回す。運送業界は多重下請け構造で成り立っている。運賃は下請けになればなるほど安くなる。構造は4月以降も変わらない。下請けはギリギリの運賃で運ぶケースがほとんど。長距離輸送の場合、特例として週2回まで1日の拘束時間を16時間まで延長することが認められている。新規性の対応を迫られる現場のドライバー。努力だけでは乗り越えられない大きな壁は4月以降も放置されている。それは荷待ち。1回の運行で発生する荷待ちの時間は平均1時間34分。2時間以上も2割近い。運転時間の拘束時間に多重下請け構造、ドライバーの働き方の改善を阻む問題が今尚山積している。
専門家・首藤さんは2024年問題の根本原因について「過当競争にある。荷物に対して事業者が多すぎる」などと指摘した。1990年、規制緩和があり新規参入を容易にした。結果、運送事業者数は1.5倍に急増。過剰なサービスや安い運賃での差別化が余儀なくされ多重下請け構造が加速した。半数以上の運送事業者が赤字。国は目安を示しているが希望額を収受できた割合は30%。
値上げが厳しい理由は運賃を商品の値段に転化するのが簡単ではないから。卸売業者は着荷主に合わせ競りおろし経費は発荷主の負担。競り落とされたものは再び競りにかけられ、価格は消費者のニーズに左右される。価格が上がらなければ経費を回収できない。
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- 函館市水産物地方卸売市場
1人のドライバーが約17時間かけ函館から豊洲に届ける翌着便。4月から1日の拘束時間の基準に抵触する。そこで中継輸送を導入し労働時間を5時間以上短縮できる。ただ人件費は倍、ひと月で数百万円のコストが増加する。中継輸送を行うのは簡単ではない。量は日々大きく変わる。悩ませていたのはトラックを2台に増やすか。中継輸送ではドライバー4人必要となる。しかし運賃は変わらないため増員分は運送会社の負担となる。中継輸送はドライバーの交代などで約30分余計に時間がかかる。
首藤さんは「根本の問題は賃金にある。賃金を上げることが不可欠」などと指摘した。ドライバーの賃金も全ての産業と比較すると年収はドライバーが20万円ほど低くなっている一方、年間の労働時間をみるとドライバーが400時間以上長い。
元経営者はM&Aはを受け入れることを決意した。長年、多重下請け構造に悩ませていた。仕事の9割近くが2次・3次の下請け。運賃は元請けの7割。そこにのしかかる燃料の高騰。この会社は大手運送会社のグループに加入し従業員の雇用も守られた。元請けとほぼ同じ運賃で仕事を割り振ってもらったり新たな仕事を開拓することで多重下請け構造から抜け出した。荷主からの運賃は約15%増加した。
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荷主側も模索を始めた。大手スーパーでは品揃えに影響が出る。そこで始めたのはミーティング。荷主が率先しドライバー労働時間削減に動き始めた。改善した業務は荷降ろし作業。月20時間の削減につながっている。荷主側の模索は企業の垣根を超えて始まっている。15社のスーパーが集うSM物流研究会ではドライバーの労働時間削減や共同配送に向けた検討を行っている。
首藤さんは「2024年問題はネガティブに捉えられているが、業界の生産性向上はなかった。いまの時間外労働規制は十分ではない」などと指摘した。
新たな価値観で挑む会社がある。独自の評価基準を導入した。それが1時間単位の売上高。業界の常識を打ち破るため、あえて未経験者を採用する戦略をとっている。行っていたのは会社のSNSに投稿する動画撮影。4年前から力を入れている。応募者数は2.5倍に増加し、9割以上が未経験者。その結果、去年の売上は30%増加した。
首藤さんは「日本企業の強みも見直すときにきている」と指摘した。また持続可能な物流の在り方について「私達の経済活動は物流があってこそ成立する。物流コストを適正に負担し、社会全体で行動の変容ができるか」などと語った。
エンディング映像。
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大河ドラマ 光る君への告知。