4月から始まったドライバーの労働時間規制。過労死の認定が全ての職種の中でも最も多いのがドライバー。改善するため制限がなかった時間外労働は年間960時間、1日の拘束時間は15時間に短縮された。荷役作業や待ち時間はドライバーの拘束時間全体の4分の1を占める。長距離ドライバーは走った分だけ稼げるのが魅力。しかし上限規制で拘束時間が短くなると月10万円ほど給料が減る可能性がある。荷主から直接業務を依頼される元請けは運びきれない分を下請けに回す。運送業界は多重下請け構造で成り立っている。運賃は下請けになればなるほど安くなる。構造は4月以降も変わらない。下請けはギリギリの運賃で運ぶケースがほとんど。長距離輸送の場合、特例として週2回まで1日の拘束時間を16時間まで延長することが認められている。新規性の対応を迫られる現場のドライバー。努力だけでは乗り越えられない大きな壁は4月以降も放置されている。それは荷待ち。1回の運行で発生する荷待ちの時間は平均1時間34分。2時間以上も2割近い。運転時間の拘束時間に多重下請け構造、ドライバーの働き方の改善を阻む問題が今尚山積している。
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