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オープニング映像。
パリオリンピックを終えて帰国した体操の選手たちに逆転の金メダルについて聞いた。
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日本は予選で団体の1位通過を目指していたが、東京五輪個人総合で金メダルを獲得したエース橋本にミスが相次いでいた。橋本は本番2か月前に右手中指のじん帯を損傷し、十分な練習ができないまま本番を迎えていた。橋本は自身を失ってしんどかったと心境を語った。1位で通過したのは張博恒、劉洋、鄒敬園を擁するライバル中国だった。決勝は6種目に1チームから3人ずつが出場し、難度のDスコアと出来栄えのEスコアで争われる。つり輪で世界トップのDスコアを誇る中国にゆかとあん馬で差を広げるため、日本の佐藤コーチはあん馬で橋本が持つ最大の構成Dスコア6.4を目指した。
団体決勝ゆかで日本は中国に0.734リードする展開となったが、あん馬で橋本が落下。演技を終えた橋本に萱は「絶対に諦めるなよ、いけるよ」とひときわ大きな声をかけた。東京五輪では0.103の差で日本は銀メダルだった。団体メンバーだった萱はあの瞬間を忘れちゃだめだと思ったと振り返った。
決勝前夜、萱はチームのミーティングでメンバーに3年越しの金メダルへの思いを語った。インタビュに対し、谷川は自分も同じ思いだったと話した。橋本は絶対あしたやってやるって強い気持ちに切り替わったと話した。杉野は僕がもっと強くなれば大輝にかける重荷は減らせるのかなと思ったと話した。岡は大輝くんが最後に「死ぬ気でやります」って言っていたから覚悟ができたと話した。
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団体決勝は3種目へのつり輪へ。日本は橋本の落下で想定が崩れ、中国にリードを許していた。中国は世界最高峰の演技で日本を突き放しにかかる。技の難度で劣る日本はつり輪でさらに3点以上離されることも覚悟していたが、必死にくらいついた。Eスコアで意地を見せ、事前の想定よりも点差を抑えることができた。4種目目は日本が得意とする跳馬。3人目の谷川は最高難度の大技リ・セグァン2で勝負に出たが、着地で膝と両手をつき大きく減点された。中国は平行棒でも圧倒的なスコアを叩き出し日本を引き離した。最終種目の鉄棒を前に中国との差は3.267。0.1を争う体操では絶望的な点差だったが、気持ちは途切れていなかった。
最後の鉄棒。1人目の杉野はダイナミックな手放し技を次々と決め、渾身の演技を見せつけた。中国の1人目、肖若騰は演技の最中に手をずらし、着地も失敗した。岡は会場の空気が変わったのを感じていた。けがの選手に代わって出場していた中国の2人目の蘇煒徳は、2回落下。日本は0.699の差でトップに立ち、橋本と張博恒の一騎打ちとなった。佐藤コーチはあえて技の難度を下げて演技の完成度で勝負をする判断をした。メンバーに背中を叩いてもらった橋本は演技を成功させた。橋本は着地の瞬間に涙が出そうだったと振り返った。日本は2大会ぶりの金メダルを獲得した。
エンディング映像。