マダニに咬まれて2日後、この日も夕食は焼き肉。それから約5時間後、娘は就寝中に激しい腹痛が起きたが下痢や嘔吐の症状はなかった。そして、のどを締め付けられるような感覚になり意識が朦朧。首や腕には蕁麻疹が。緊急搬送され、発症から1時間たつと症状は蕁麻疹だけに。アナフィラキシーを起こしたとみられると診断され、この日は抗ヒスタミン薬が投与されて帰宅。1週間後の検査結果では牛肉と豚肉にアレルギーの陽性反応が。しかし、これまでは肉を食べてもアレルギーは起こっておらず、医師によると「牛肉と豚肉は今回は関係がないかもしれない」ということだった。即時型の食物アレルギーは通常、食べてから遅くとも2時間ほどで発症するが、今回は5時間後と発症が遅く肉が原因とは考えにくかった。とりあえず、肉を食べるはやめてアレルギーの専門医に診てもらうことに。専門の吉川医師は「ザ!世界仰天ニュース」で彼女のような事例を扱っていた回を思い出し、マダニに咬まれたことを確認。再度アレルギー検査を行い、マダニに咬まれたことが原因で肉アレルギーになったことが判明した。マダニに咬まれるとα-galという成分が体内に入り、免疫細胞が抗体を作って攻撃。一方で、α-galは牛や豚など人以外の多くの哺乳類に含まれているため、体に害のない牛肉などのα-galに対しても抗体が攻撃してしまいアレルギー症状を引き起こす。α-galは小さいためアレルギーと感知するまで時間がかかり、α-gal症候群は食べてから症状までに3時間以上かかるケースが多い。また、このアレルギーは発症しにくい血液型があるという。