先週、発売されたかこさとしさんの新作のタイトルは「くらげのパポちゃん」。舞台は戦後まもない日本。パポちゃんが戦争で父親を亡くした少年と出会い、その父親を探そうと奮闘する物語。パポちゃんを通して戦争がもたらすものを描いている。大正15年に生まれたかこさんはお国のためにと軍人を志した。19歳で終戦を迎え何の疑いもなく戦争へと突き進んできた自分を後悔し晩年、戦争の本を作りたいとよく口にしていた。未発表だったこの作品はデビュー前の昭和25年から30年に書かれたと見られるが4年前に原稿が見つかるまで、存在を知られていなかった。しかも見つかったのは原稿だけで肝心の絵がない。そこで立ち上がったのが孫の中島加名さんだった。幼いころからかこさんの絵本作りを間近で見て育った加名さんは絵本を手がけるのは初めてで自分が絵を描いていいのか戸惑いながらも作業が始まった。
去年6月、藤沢市にあるかこさんの自宅で加名さんは試しに描いた絵を初めて披露した。編集者が指摘したのは主人公のパポちゃんの描き方だった。そんな中、かこさんが描き残したパポちゃんのイラストが新たに見つかった。25年前、別の絵本を制作する過程でかこさんが描いたもので、去年、編集者が手元に残していた資料の中から偶然見つかった。そうして10か月かけて絵本が完成。絵本の発売に合わせて読み聞かせ会が行われた。絵本の裏表紙をよく見てみると、旅から帰ってきてパポちゃんが仲間に旅の話をしている場面になっている。これはかこさんの原稿にはなかったシーンなのだが加名さんが。「本を読んだ人もパポちゃんのように感じたことを周りの人と共有してほしいという願い」を込めて盛り込んだという。
去年6月、藤沢市にあるかこさんの自宅で加名さんは試しに描いた絵を初めて披露した。編集者が指摘したのは主人公のパポちゃんの描き方だった。そんな中、かこさんが描き残したパポちゃんのイラストが新たに見つかった。25年前、別の絵本を制作する過程でかこさんが描いたもので、去年、編集者が手元に残していた資料の中から偶然見つかった。そうして10か月かけて絵本が完成。絵本の発売に合わせて読み聞かせ会が行われた。絵本の裏表紙をよく見てみると、旅から帰ってきてパポちゃんが仲間に旅の話をしている場面になっている。これはかこさんの原稿にはなかったシーンなのだが加名さんが。「本を読んだ人もパポちゃんのように感じたことを周りの人と共有してほしいという願い」を込めて盛り込んだという。