魚の専門家・さかなクンが見たい映像は、かつて日本各地に生息していたイタチ科の動物「ニホンカワウソ」の映像だ。ニホンカワウソは、明治以降、毛皮目当ての乱獲や環境の変化によって激減し、1979年を最後に正式な確認はされていない。2012年には、環境省が絶滅種に指定した。47年前に高知放送局で制作された番組は、ニホンカワウソを映像に収めようとしていた。1977年当時、ごくわずかに目撃情報があったのは、四国周辺だけだった。海岸などにえさを置いて張り込むも、イタチしか映らなかった。翌年、スタッフは、ニホンカワウソの餌場を探した。取材開始から2年、日本で初めてカラーで、ニホンカワウソを撮影することに成功した。場所は、高知県須崎市の新庄川。この映像の17年前に、愛媛県の動物園で撮影された映像が見つかった。1962年、夜釣りをしていた高校生が親とはぐれ、鳴いていたカワウソを発見し、保護のため、動物園に連れてきた。メスの子どもで、マツと名付けられた。カワウソは、長くて太い尻尾が特徴。発達した水かきも使って、器用に泳ぐことができる。さかなクンは、魚であれば、海流などによって分布を広げることもできるが、人間の暮らしに近い水辺に暮らす生き物は、その環境が壊されるといなくなってしまうなどと話した。