専門家に相談することで介護の負担を減らすことができた人もいる。部谷弘之さん。千葉県のプラント建設会社に25年勤めるベテラン。奈良県で暮らす母親が5年前、認知症に。徘徊を繰り返す中、遠方のためすぐには駆けつけられないことにもどかしさを感じていた。そこで頼ったのが介護に詳しいNPO法人。部谷さんが勤める会社では介護休暇などの制度に加えてNPOと提携して定期的に相談会を開いている。専門家に勧められたのは自分の負担を減らすためにどんなサービスを使えばいいのか、介護関係者に遠慮せず聞いてはどうかということだった。部谷さんは奈良県のケアマネージャーやデイサービス、訪問介護のスタッフと相談。週3回だった介護サービスを毎日受けられるようにした。さらに母親の靴にGPSを付け、位置情報を確認できるようにした。千葉県と奈良県。離れて暮らしていても安心して母親を見守ることができている。仕事と介護の両立について介護の支援などを行うNPOの代表は悩みを抱え込まずに相談することが第一歩だと指摘する。責任の重い仕事をしていると介護の問題を相談しにくいということもあると思うが、川内さんによるとまずは勤め先に相談窓口があるか聞いてみてほしい、窓口がない場合でもすべての市区町村に設置されている地域包括支援センター、または介護支援のNPO法人などでも相談できるということだ。介護に関わることが当たり前になっていく社会、一人一人が考えたい。