東京・練馬区のラーメン食堂はないち。地元客に人気のお店。名物はしおらーめん。切り盛りするのはシングルマザーの伊藤綾さん44歳と高校3年生娘の晴名さん。ラーメンの味はもちろん2人の人柄も魅力的。だが、借金1700万円と経営は火の車。親子二人三脚でなんとか乗り越え続けている。娘の晴名さんは小学生の頃から接客を担当、母をサポート。かきあつめた開店資金返済のため奮闘する親子の姿が。その一方で晴名さんは声優になることが夢。レッスンに励みながらお母さんに迷惑はかけられないとラーメン店の手伝いをする日々。つねに本音で向き合いながら、声優になることはいつしかふたりの夢に。先月母綾さんからうれしい報告があるとの連絡がきた。晴名さん、努力の甲斐もあり見事オーディションに合格、ついに現役高校生声優に。芸名は母・綾さんの名前を入れて「綾坂晴名」という名に。そして、綾さんは晴名さんのボイスサンプルを紹介した。
娘に負けていられないと綾さんは借金1700万円の返済に向けて出張販売を開始させた。常連客が次々と訪れた。それでもなかなか減らない借金。実は綾さんははないちの閉店を真剣に考えていたという。しかし、声優になった娘の芸名。綾坂晴名がその迷いを断ち切らせた。自分も娘の力になりたいと母・綾さんはことあるごとに常連客に娘の宣伝をしていた。高校から晴名さんが帰ってきてもそれは止まらない。娘を積極的にアピールする綾さん。しかし晴名さんは複雑な気持ちを抱えていた。今月2日、店は母と娘ふたりきり大忙しになった。なにやら不機嫌な晴名さん。休憩中、複雑な胸の内を明かした。声優としてまだ作品に出ていないという引け目があるのだそう。そして、夜の営業。ついに晴名さん本音が。プレッシャーが不安となりイライラに。しかし声優は聞いてもらう仕事。母としては、そのことに気付いてほしかったのだそう。けんかするほど仲がいい、親子二人三脚はまだまだ続きそう。