今後の国会運営を巡って、与野党双方から続く国民民主党へのアプローチ。看板政策である年収の壁の引き上げに向けて、各党の駆け引きが始まっている。衆院選で議席を4倍に増やし存在感を増した国民民主党。昨日、自民党と幹事長会談を行ったのに続き、今日は立憲民主党の幹事長らと会談した。会談では、政治とカネに関する政治改革や国会改革を進めることで一致し、週明けには野田代表と玉木代表による党首会談を行うことで合意した。立憲は、衆院選で与党が過半数割れした結果を踏まえ、野党で共闘するため国会での連携を呼びかけたが、国民民主党の榛葉幹事長は、どの党とも同じ距離感で臨む考えを強調。あくまで政策ごとに個別に協議する考えを示した。午後には公明党とも会談し、公明党側は国民民主党が掲げるいわゆる103万円の壁の引き上げについて前向きな考えを示した。ただ、実際に年収の壁を引き上げる場合、税制を改正する必要がある。これまで税制に関する議論は自民党のインナーと呼ばれる議員が仕切ってきた、いわば聖域。その聖域に国民民主党が関わることになるのか。与党からは早くも警戒感が。与党幹部は「国民民主党の投げてくるタマが高い。妥協するとは思うが、付き合いきれないとなるかもしれない」と話す。永田町では国民民主党が与党なのか野党なのか立ち位置をはかりかねる声も聞かれる。2009年に政界再編を目指す第3極として旗揚げしたみんなの党。独自の立ち位置で存在感を示したものの、特定秘密保護法を巡って、政府の修正案に合意したことをきっかけに党は分裂し、大きなうねりとはならなかった。政策実現に向け、是々非々の立場を取る国民民主党。高まる存在感と比例して結果が求められる。