きょう紹介するのは夫の殺害容疑をかけられた妻をめぐる法廷サスペンス「落下の解剖学」。去年行われたカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを獲得。来月開催のアカデミー賞では作品賞・監督賞など5部門にノミネートされている話題作。映画で描かれる事件の舞台は人里離れた雪山の山荘。転落死した父親を息子が発見するところから始まる。当初は事故死と思われていたが、次第に妻へ殺人容疑が向けられる。「GREAT POINT」は「無実?犯人?観客を惑わせる妻の様々な顔」。映画の主人公で殺人容疑をかけられる妻を演じるのはザンドラ・ヒュラ―(45)。今回の演技でアカデミー賞・主演女優賞にもノミネートされている。彼女が劇中で演じた妻・サンドラの職業はベストセラー作家。教師で作家を目指す夫と視覚に障害がある息子とともに静かな暮らしを送っていた。そこに降って湧いた夫の突然の死と自分への殺人容疑。サンドラは冷静に無実を主張、「夫は自殺した」と語り理由を論理立てて説明する。しかしその後明らかになったのが夫との確執。冷静な顔から一変、感情的な顔が。殺害に動機があったことで次第に深まっていく殺人容疑。そんな中見せるのが優しい母親の顔。次々見せる様々な顔。果たしてサンドラは無実なのか犯人なのか分からなくなる中、夫婦関係に悩む1人の女性の苦悩が浮き彫りになる。映画は今月23日公開。